2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルコールからの官能基変換法の革新;ヒドロキシ基の直接置換法の開発
Project/Area Number |
16350056
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 章夫 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20144438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝田 育也 大阪大学, 環境安全研究管理センター, 教授 (10196420)
安田 誠 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40273601)
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Keywords | ルイス酸 / インジウム / ケイ素 / アルコール / 置換 / NMR / 選択性 / 触媒 |
Research Abstract |
通常脱離能力のきわめて低いOH基を触媒的に脱離置換させることに成功した。触媒としてケイ素とインジウムを共存させる系を開発した。スペクトル的観測から、ケイ素状のハロゲン原子がインジウムに配位した形の複合ルイス酸を発生していることがわかった。この化学種はケイ素上に高いルイス酸性が発現している。アルキル化試剤としては、アリルシラン、アルキニルシラン、プレニルシランなどを用いることができ、高い選択性を示した。官能基選択性にmのすぐれており、OH基と共存するエステル基やハライド、ニトロ基には全く影響を与えなかった。これまでこのタイプの反応はごく少数であるが報告があったが、それらはすべて塩素系溶媒が必須であった。今回の我々の系では、塩素系溶媒は必須ではなく、ヘキサン等の溶媒で反応が効率よく進行した。基質によっては、ヘキサンの方が高い収率を示すものもあった。これは、工業的な観点からは、画期的な研究の進展であるとみなされる。アルコールは3級基質が最も反応性が高いことから、カチオン機構で反応が進行していると考えられる。この性質を利用することで、アルコールの級数による選択的アルキル化反応を達成することができた。天然物合成への応用をめざし、糖類のヒドロキシル基の置換反応を試みたところ、高い収率で反応が進行した。通常保護を必要とする反応過程が必要なく、簡便な反応操作で目的生成物を直接与えることが可能となった。また、フェロセン部位を有するアルコールの置換反応を達成することができたことから、金属錯体の配位子修飾を錯体段階から行うことができ、これまでの錯体合成の手法を変える起点となる研究成果が得られた。
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Research Products
(6 results)