2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリコサミノグリカン類のモジュール合成と生物機能解析
Project/Area Number |
16350063
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西田 芳弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80183896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 佳子 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教授 (00335069)
堀内 基広 北海道大学, 獣医学研究科, 教授 (30219216)
鵜沢 浩隆 産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター, チーム長 (60356566)
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Keywords | プリオン / グリコサミノグリカン / 硫酸化糖 / ライブラリー合成 / 糖鎖モジュール化法 / BSE / アルツハイマー / 光反応性プローブ |
Research Abstract |
BSEやクロイツフェルト-ヤコブ病に関わる異常型プリオン(PrP^<Sc>)タンパク質、また、アルツハイマーや関係するアミロイドベータタンパク質が脳細胞に蓄積するために起こる神経疾患病には治療法が確立されていない。これらは脳内の正常タンパク質が二次構造の変化を伴ってアミロイド型に蓄積することからコンフォメーション病とも呼ばれており、その原因解明や治療法の確立が重要な課題となっている。研究代表者は、プリオンが高度にシアリル化された膜結合型タンパク質であること、又、構造転移にグリコサミノグリカン(GAGs)などの硫酸化糖の関与が疑われていることに着目し、糖を分子基盤とした抗BSE、並びに、抗アルツハイマー試薬の開発が可能であると考えるに至った。本研究では、まず(1)グリコサミノグリカンを構築する硫酸化糖の分子ライブラリーの構築にスルファターゼを用いる手法を確立した。同時に(2)グリコサミノグリカンを構築する二糖単位であるグルクロン酸を硫酸化糖に転移する新しい酵素反応を見出した(Chem.Commun.,2006,印刷中)。(3)代表者が提案した糖鎖モジュール化法を適用してグリコサミノグリカンミミック合成を一連行なった。(4)硫酸化糖を表面プラズモン共鳴装置の基板に固定化した硫酸化糖チップの作成を行った。(5)自己会合をしながらベータシート構造をとる人工ペプチドモデルの開発を行った(Heterocycles,2005)。(6)特定の糖構造を認識するタンパク質と光反応をして共有結合を形成して蛍光性誘導体に導く新しい光反応性プローブを開発した(Letters in Organic Chemistry,2005)。 分子設計された糖鎖プローブと糖鎖材料は、コンフォメーション病をさまざまな観点から解析するため生化学試薬となり得る。実際に、異常型プリオンタンパク質を蓄積する細胞を用いてその効果を調べた。その結果、N-アセチルグルコサミンの4位と6位の片方の水酸基が硫酸化された糖が異常プリオンへの転移を顕著に抑制する効果を持つことを見出すことができた。
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Research Products
(7 results)