| Research Abstract |
本研究課題で提案するナノ構造制御したハイブリッド型機能材料の設計では,ジエンやジアセチレン化合物などの不飽和化合物を出発原料とし,反応場を制御しながら固相反応や重合を行い,高度に制御された構造を有する新材料を合成することを目的としている。本年度は,ナノ構造制御したポリマーハイブリッド結晶の合成,ジエンならびにジアセチレンの固相重合と反応の設計,ナノ積層型共役/非共役ポリマーハイブリッド結晶の合成,混晶型共役/非共役ポリマーハイブリッド結晶の合成,ならびに均一分散型ナノハイブリッド結晶の合成と機能性ポリマーハイブリッド結晶の設計に関する研究を行った。ジエン化合物の結晶の光反応経路は厳密にモノマー結晶構造,すなわちモノマー分子の充填様式によって決まるが,従来から知られているジアセチレン重合との相違点を明らかにし,ジエンモノマーとジアセチレンモノマーのハイブリッド化を試みた。共通カウンターカチオンをもつカルボン酸モノマーを合成し,結晶中にランダム,交互,ブロック的に混合し,さらにトポケミカル共重合を行うことで,共役鎖長の制御されたポリマーを合成した。また、ジエンとジアセチレンの両方の単位を含むモノマーを合成し、重合を試みた。固体中での束縛を受けた状態での反応機構解析を行うと同時に,得られたジアセチレンとジエンのハイブリッドポリマーの構造や電子物性,特に吸収特性,発光特性の評価を行った。ジエンカルボン酸アルキルアンモニウムを結晶に光照射して得られる高分子結晶を固体のまま側鎖変換し,ポリカルボン酸結晶に定量的に誘導した後,適当な官能基を有するアミンとインターカレーション反応によって種々のアンモニウム塩へと変換し,様々な機能を兼ね備えた高分子結晶を設計した。光反応性,光応答性,光異性化などに伴って結晶の層構造が変化するようにゲスト分子の設計を行い,光機能をポリマー結晶に付与した。
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