2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久枝 良雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70150498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 高史 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20222226)
嶌越 恒 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00284539)
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Keywords | コバルト錯体 / 二核錯体 / 酸化還元応答 / 軸配位挙動 / デンドリマー構造 / 光応答性 / 動的構造変化 / 超分子構造 |
Research Abstract |
1)金属錯体は中心金属と有機配位子の組み合わせにより多彩な幾何構造の構築が可能であり、超分子構造体のビルディングブロックとして広く用いられている。また、中心金属の価数に従い、異なる幾何構造をとる。本研究では、二核コバルト錯体の軸配位子としてデンドロンアミンを配位させることにより、デンドリマー錯体を合成した。本錯体は、コバルトの価数を+2価と+3価で可逆的に変化させることで、デンドリマー構造を可逆的にオン/オフすることが出来た。 2)酸化還元応答性制御-電気化学的酸化還元により、Co(III)Co(III)状態でデンドロンアミンの配位によりデンドリマーを形成し、Co(II)Co(II)状態で軸配位子が解離してデンドリマー・オフの状態になることを見出した。 3)光応答性構造制御-トリエタノールアミンの存在下で、デンドリマー型錯体(Co(III)Co(III))に光照射すると、デンドリマー・オフの状態になることを見出した。これは、光照射による軸配位子解離とトリエタノールアミンによるCo(II)Co(II)への還元が並行して起こったためである。この結果は、金属錯体の光によるデンドリマー形成の制御の最初の成功例である。 4)上記のように、酸化還元や可視光照射といった外部刺激に応答してデンドリマー構造を変化させるデンドリマー錯体の合成に成功した。これらの結果は、コバルト二核錯体の動的構造変化を伴う新機能であると言える。
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Research Products
(7 results)