2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ素構造体の動的階層構造を電位で可逆制御することによる界面機能化
Project/Area Number |
16350077
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
相樂 隆正 長崎大学, 工学部, 教授 (20192594)
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Keywords | 超薄膜 / ナノ材料 / 表面・界面物性 / デンドリマー / 金属ナノ粒子 / 電極表面 / ダイナミクス |
Research Abstract |
1.4-ピリジル基とアルキル長鎖をエーテル結合でリンクした分子が、電位に駆動された集合構造変化を、金単結晶(111)電極表面上で大きく示すことがわかった。また、オキシエチレン部位を持つ分子が、明確な電位依存吸脱着活性を示すことを見出した。さらに、表面を2成分チオール分子膜で修飾した粒径が2nm以下の金ナノ粒子において、電位に応答した部分的吸脱着と末端部位の配向変化が、2成分の混合比によって制御できることを実験的に示すことができた。 2.単結晶金電極を対象とできる赤外高感度反射装置の試運転に成功した。 3.(1)ビスフェニルアントラセンをコアにもち、末端にMOM基をもつポリベンジルエーテルデンドリマーの第2世代を設計・合成し、金単結晶(111)電極表面上で完全脱着を含む電位応答挙動を起こすことまでを確認できた。今後、詳細なダイナミクスの蛍光分光を用いた解析、およびMOM基を脱保護して他の活性基を組み込んだ世代が大きなデンドリマーへの展開を図る計画である。 (2)参照化合物デンドリマーとして用いた末端がすべてカルボキシレートのポリアミドアミンデンドリマー(第2.5世代)が、溶液中の外圏型金属錯体の酸化還元反応に対して、特異的な促進効果(静電反発が予想される系で不均一反応速度定数が増大する)が発見された。この効果の起源確認を、今後の研究展開で行っていく計画である。 4.液体アルカンの電位応答挙動の、電極表面上アルカン量依存性を明らかにした。 5.金ナノ粒子が動的挙動を示すその場でエレクトロリフレクタンス応答を追跡した結果、動的挙動の前後で粒子電荷が大きな変化を起こしていないことが確認できた。このことは、界面微分容量の電位依存性が、近似的に粒子の動きを主に表わしていることを物語る。
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