2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 猛 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90240548)
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Keywords | RNA合成 / ホスホロアミダイト法 / 保護基 / RNAi / 固相合成 / 自動合成 / 核酸合成 / 核酸医薬 |
Research Abstract |
平成19年度の研究において、核酸医薬として近年著しく需要が増大しているRNAの化学合成手法の開発を重点的に行った。RNAの化学合成において、2'-水酸基保護基の開発が最も重要な課題である。本研究では、塩基性条件下、RNAの転位や分解を伴わず除去可能な新規保護基の開発を行い、自動合成機を用いた固相合成法により、siRNAなどの核酸医薬として有効な20量体程度の鎖長を有するRNAオリゴマーを効率的に合成可能な新手法の開発を行った。 RNA合成の原料となる2'-水酸基が2-(シアノエトキシ)エチル基で保護されたリボヌクレオシドを位置選択的に高収率で合成し、これを対応するホスホロアミダイトモノマーへ変換した。これらモノマーを用いる、固相担体上での縮合反応を検討し、従来の保護基を用いる手法よりも格段に収率良く縮合反応を行うことに成功した。さらに、この方法を自動合成機を用いた固相合成に適用し、4-21量体のオリゴマーを高収率で合成することに成功した。特に、オリゴマー合成では保護基の除去条件を詳細に検討、最適化し、従来問題とされた核酸塩基部への副反応を大幅に抑制する条件を見出すことができた。さらに、この新規反応条件は、核酸塩基に対して反応性を有するオレフィンが副生する同様の基本骨格を有する他の保護基の除去反応にも適用可能であることを確認した。 以上,本研究の成果は,化学合成RNAを用いる様々な研究分野に大きく貢献することが期待できる。
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Research Products
(11 results)