2004 Fiscal Year Annual Research Report
テロメアDNAを利用したカリウムイオンの蛍光センシングと細胞イメージング
Project/Area Number |
16350089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹中 繁織 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60188208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 高彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00291930)
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Keywords | カリウムイオン / テロメアDNA配列 / 四本鎖DNA構造 / 蛍光励起共鳴エネルギー移動 / トロンビンアプタマー / ピレン / エキシマー発光 / 神経細胞 |
Research Abstract |
本研究では、過剰(mM)のナトリウムイオン存在下で微量(μM)のカリウムイオンを蛍光センシングできる試薬を開発することを目的とする。これは、神経細胞間のカリウムイオン濃度を蛍光イメージングできるシステムへの確立へつながるものである。 当該年度では、カリウムイオンがテロメアDNA配列の四本鎖DNA構造を安定化することを利用して、カリウムイオン存在下で4本鎖構造を形成する試薬の開発を試みた。具体的には、トロンビンアプタマーとして知られる(GGT TGG TGT GGT TGG)配列を有するオリゴヌクレオチドの両末端に蛍光励起共鳴エネルギー移動(FRET)可能な蛍光性色素FAMとTAMRAを導入した。しかし、この合成試薬は、カリウムイオン存在下で四本鎖DM形成は見られたが、FRETは観察されなかった。これは、カリウムイオン存在下形成される四本鎖DNA構造において2つの色素間が近づきすぎるために消光過程が優先したものと考えられた。そこで、新たにピレンを両置換基末端に導入したトロンビンアプタマー配列オリゴヌクレオチドを合成した。ピレン部とオリゴヌクレオチド部のリンカー長を検討することにより効果的なピレンのエキシマー発光がカリウムイオン存在下で観察された。他のイオンに比べエキシマー発光の特異性は高く、高性能カリウムイオン蛍光染色試薬の合成が達成された。この試薬のカリウムイオンに対する応答速度や繰り返し再現性などを調べた結果、応答速度は1秒以内で十回あまりの繰り返し再現性は良好であった。 現在、細胞のカリウムイオンの画像化のために既存の試薬と比較しており、その結果、本試薬の性能は従来の試薬をしのぐものであった。
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Research Products
(5 results)