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2005 Fiscal Year Annual Research Report

タンパク質立体構造におけるイオウ原子の動的および静的電子効果の解明

Research Project

Project/Area Number 16350092
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

岩岡 道夫  東海大学, 理学部, 助教授 (30221097)

Keywordsタンパク質立体構造 / イオウ / 非結合性相互作用 / 電子効果 / タンパク質構造データベース / セレン試剤 / タンパク質フォールディング / 分子シミュレーション
Research Abstract

本研究は,タンパク質中に存在するイオウ原子の構造生物学的な新機能を明らかとするために,タンパク質の立体構造が形成する原理(動的側面)と安定化の仕組み(静的側面)を有機化学的な視点から解明することを目的としている。平成17年度は,主として以下に挙げる4つの具体的な課題に取り組んだ。
1.水溶性セレン試剤を用いたリボヌクレアーゼ(RNase A)の酸化的リフォールディング過程の解析。SS結合を4つもつRNase Aの還元体Rに対して水溶性セレノキシドを3当量加えたところ,SS結合が素早く定量的に生成した。観測されたフォールディング中間体は,特定の立体構造をもたないランダムコイル状態であった。しかし,中間体を長時間放置すると,SS結合の組み換え反応が進行し安定な天然型の立体構造へと転移した。セレン試剤を用いることによってSS形成反応とSS交換反応を分離して観測することが可能となった。
2.タンパク質中のジスルフィド(SS)結合をジセレニド(SeSe)結合へと化学変換するための手法の開発。アミノ酸であるシスチンをセレノシスチンへと変換することに成功した。セレノシスチンは,様々な酸化還元酵素の活性中心に存在し,第21番目のアミノ酸としても注目されている。
3.タンパク質構造データベース(PDB)を用いたS…X相互作用の機能解析。ホスホリパーゼA_2のS…OおよびS…N相互作用を詳しく解析したところ,これらの相互作用はホスホリパーゼA_2の分子進化や機能と何らかの相関があることが明らかとなった。
4.単一アミノ酸ポテンシャル力場SAAPを用いたポリペプチド分子の分子シミュレーション。SAAP力場用のモンテカルロシミュレーションプログラムを作成し,エンケファリン(5つのアミノ酸からなる抗腫瘍性プペチド)の水中の分子シミュレーションを行った。エンケファリン中のイオウ原子の相互作用について解析を進めている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2006 2005

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] Possible Roles of S…O and S…N Interactions in the Functions and Evolution of Phospholipase A_2.2006

    • Author(s)
      Michio Iwaoka
    • Journal Title

      BIOPHYSICS 2

      Pages: 23-34

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] Physical- and Bio-organic Chemistry of Nonbonded Selenium…Oxygen Interactions.2005

    • Author(s)
      Michio Iwaoka
    • Journal Title

      Phosphorus, Sulfur, Silicon, and The Related Elements 180

      Pages: 755-766

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 二価有機セレンの非結合性相互作用に関する研究2005

    • Author(s)
      岩岡 道夫
    • Journal Title

      有機合成化学協会誌 63

      Pages: 911-920

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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