2005 Fiscal Year Annual Research Report
発光波長を自在に制御できる半導体ナノ粒子集積体の開発
Project/Area Number |
16350095
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥本 司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60271029)
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Keywords | 半導体ナノ粒子 / 発光材料 / コア・シェル構造体 / ジングルベル型構造体 / シェル開口 / サイズ選択的光エッチング / テンプレート / 光化学特性 |
Research Abstract |
我々はこれまでにシリカ(SiO2)で被覆した硫化カドミウム(CdS)ナノ粒子(SiO2/CdS)にサイズ選択的光エッチングを適用することによって、SiO2とCdSの間に空隙をもつ新規ナノ構造体(ジングルベル型構造体)の調製に成功した。本研究では、SiO2/CdSをLB法によってガラス基板上に積層させ、SiO2/CdS集積膜を調製した。さらにこの薄膜にサイズ選択的光エッチングを適用し、得られたナノ構造と光化学特性の関係を明らかにするとともに、化学センサーへの応用をめざした。 SiO2/CdS粒子表面を(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)トリエトキシシランを用いて最外層を化学修飾し、クロロホルムに可溶なSiO2/CdSを得た。この溶液を水面に滴下し展開面積を規制したのち、ガラス基板を水面に対して水平に付着させることによってSiO2/CdSを基板上に積層した。得られたSiO2/CdS薄膜に単色光を照射すると、照射光波長を短くするにつれ、CdSの吸収スペクトルは短波長側へシフトし、その吸収端は用いた照射光波長に一致した。このことから、SiO2/CdS集積膜にサイズ選択的光エッチングを適用することによって、CdSコアサイズを選択的に減少させることができ、集積膜中にジングルベル型ナノ粒子が形成されることがわかった。光エッチング後のSiO2/CdS薄膜は、波長650nm付近にCdSの結晶欠陥に由来する発光ピークを示した。この発光ピークはトリアルキルアミンの添加により減少したが、その度合は用いるトリアルキルアミンの種類により変化した。このことはSiO2/CdSのSiO2シェルに、分子サイズの細孔が存在すると考えるとうまく説明できる。
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Research Products
(2 results)