2004 Fiscal Year Annual Research Report
蒸着重合法による積層ブロックコポリマー薄膜の形成と機能発現
Project/Area Number |
16350097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
臼井 博明 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (60176667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 壽彌 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (90092486)
田中 邦明 国立大学法人東京農工大学, 大学院・工学教育部, 教務職員 (30251581)
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Keywords | 蒸着重合 / ブロック重合 / 自己組織化 / 界面 / 有機電界発光素子 / カルバゾール / テトラフェニルジアミノビフェニル |
Research Abstract |
有機電子デバイスを構築するためには、異なった電荷輸送あるいは光機能を持つ複数の有機薄膜を積層し、界面での電荷輸送現象を利用して機能を発現させる。しかしながら多くの分子性半導体などはファンデルワールス結晶を形成する材料であり、層間には化学結合が存在せず、これが構造的不安定性を誘起するのみならず、電荷トラップを形成して電子機能を損なう可能性がある。そこで蒸着重合法を利用して、真空ドライプロセスによって安定性の高い高分子薄膜を形成すると同時に、薄膜積層構造がブロック状コポリマーとして形成されるように、逐次的蒸着を行い、安定な分子内化学結合による界面を持つ積層構造を構築する。このために、まず基板/膜界面に着目し、重合開始部位を持つ自己組織化膜を基板表面に形成し、この上に電荷輸送機能を持つモノマー材料を蒸着することによって、界面に安定な化学結合を持つ薄膜を形成した。重合開始剤としてはアゾ色素、モノマー材料としてはカルバゾールプロピルアクリレート及びビニルテトラフェニルジアミノビフェニルを用いた。重合活性化の手法として、蒸着後の薄膜に紫外線照射を行う手法と、蒸着中のモノマーに電子照射を行うイオン化蒸着法の二つの方法を用い、基板表面での重合反応によって高分子薄膜を得た。 このようにして得られた薄膜は、界面に化学結合を導入しない場合に比較して、製膜後の結晶化が観察されず、熱処理による凝集も生じないことが明らかとなった。このようにして、基板表面からグラフト成長した正孔輸送性薄膜が得られたので、その上に薄膜に電子輸送層としてアルミニウムキノリノール錯体を蒸着し、さらに陰極を蒸着して有機電界発光素子を形成した。その結果、界面に化学結合を導入することにより発光開始電圧が低下し、優れた特性の素子が得られることが示された。
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Research Products
(5 results)