2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 一義 京都大学, 工学研究科, 教授 (90155119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御崎 洋二 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90202340)
笛野 博之 京都大学, 工学研究科, 助手 (30212179)
伊藤 彰浩 京都大学, 工学研究科, 助手 (90293901)
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Keywords | テトラチアペンタレン / ドナー / 有機伝導体 / X線構造解析 / バンド計算 / 電気伝導度 / 磁化率 |
Research Abstract |
シクロヘキセン環とチオメチル基を有するテトラチアペンタレンドナー,CHTM-TTPは,対イオンの形状により,様々な分子配列をとるばかりか,GaCl_4塩は2種の半導体と1種の金属が同じバッチから生成することがわかっている。半導体のGaCl_4塩は共にドナー(D)とアニオン(A)の比が1:1であり,ドナー分子が完全にイオン化していることが明らかとなっていた。そこで,金属的な塩の良質な単結晶を育成し,X線結晶構K解析を行った。ドナー分子はface-to-face型に積層してカラムを形成しており,そのカラムが分子短軸方向に2本並んだラダー構造をとっている。カラム内においてドナー分子は若干二量化しており,隣接した2本のカラム間にはカラム内の数分の一程度の相互作用が存在すると思われる。一方,CHTM-TTPのセレノメチル類縁体CHSM-TTPは選択的にD:A=2:1の金属相,(CHSM-TTP)_2MCl_4(PhCl)_x(M=Ga,Fe)を与える事が明らかとなった。これらの塩はいずれも対応するCHTM-TTP塩と同型であり,室温で1.9-11Scm^<-1>の伝導性を示し,160-250Kまで金属的な挙動を示した後,半導体へ転移することが明らかとなった。(CHSM-TTP)_2MCl_4(PhCl)_xの磁化率測定を行ったところ,磁化率の温度依存性はキュリーワイス則に従い,分子間に弱い反強磁性的相互作用(Θ=-3.1K)が存在することが明らかとなった。
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