2005 Fiscal Year Annual Research Report
ニオブ酸塩ナノシートの分散系が作るソフトな場を利用する光機能性ハイブリッドの創製
Project/Area Number |
16350107
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中戸 晃之 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (10237315)
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Keywords | ニオブ酸塩 / チタン酸塩 / 粘土 / ナノシート / 分散系 / 液晶 / 光誘起電子移動 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、層状ニオブ酸塩-粘土混合分散系で生じるユニークな光誘起電子移動を調査した。ニオブ酸塩K_4Nb_6O_<17>の剥離ナノシートと粘土鉱物ヘクトライトの剥離ナノシートとを水に分散させた多成分コロイドを調製し、系にメチルビオロゲン(MV^<2+>)を加えて、光触媒であるニオブ酸塩ナノシートからMV^<2+>への光誘起電子移動を調べた。この多成分分散系へ紫外光照射すると、ニオブ酸塩ナノシートからMV^<2+>への間の光誘起電子移動を生じ、MV^<2+>の還元体(MV^<+・>)を生成する。系の組成とMV^<+・>の安定性との関係を検討した結果、MV^<+・>の生成効率と半減期のいずれもが粘土濃度に大きく依存することが分かった。例えばMV^<+・>の半減期は、粘土濃度によって10分から15時間までの値を示した。MV^<+・>が15時間におよぶ半減期を示すコロイド分散系は、これまで知られていない。MV^<+・>安定性の支配因子として、系の粘性率やドメイン構造が考えられるが、詳細は不明である。今年度引き続き検討を行う。 一方、ニオブ酸塩と同様に光触媒活性を有する、層状チタン酸塩H_<1.07>Ti_<1.73>O_4の剥離ナノシート分散系の相挙動を検討した。その結果、チタン酸塩ナノシート分散系も、ニオブ酸塩ナノシートコロイドと同様に、安定な液晶相形成を特徴とする相挙動を示すことが分かった。等方相から等方液晶二相共存への相転移濃度はニオブ酸塩ナノシート分散系よりも高かったが、二相共存から液晶相への転移濃度はニオブ酸塩系と同程度であった。また、チタン酸塩-粘土混合ナノシート分散系は、ニオブ酸塩-粘土混合コロイドと同様に、液晶形成するチタン酸塩ナノシートと等方的に分散する粘土ナノシートとの相分離を示した。
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Research Products
(1 results)