2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザによるガラスのナノ局所構造制御と光子伝達型フォトニック回路の創製
Project/Area Number |
16350111
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
藤原 巧 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10278393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅野 安彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90283035)
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Keywords | 結晶化ガラス / 二次光非線形性 / レーザー誘起構造制御 / ナノ粒子配列構造 / 結晶化光回路 |
Research Abstract |
レーザ照射による局所的な集光加熱効果を利用し、ナノ結晶化や配向結晶化を呈するガラス材料を用いて結晶粒子の規則化構造創製に挑んでいる。本年度は、種々の組成を持ち、結晶化により本来は結晶に固有の高機能性(2次光非線形性)を発現するガラス系を選択し、波長308nmを有するXe Clエキシマレーザにより局所加熱処理による均一粒径制御およびファイバ形態による結晶化ガラスファイバの創製と配向結晶化構造の実現に成功した。以下に主要な成果を記す。 1.紫外レーザ照射による集光加熱において、ガラス系によっては、レーザのパルス幅により結晶化に至る充分な温度まで加熱できない可能性がある。そこで、基板に対して加熱補助を施すことにより、レーザ照射による加熱をより安定に実施することが可能となり、基板加熱のない場合に比べて、ナノ粒子直径のばらつき(偏差)を低減し、なおかつ従来は結晶化を確認できなかったガラス系においても、透過型電子顕微鏡観察において結晶相を実証することに成功した。 2.結晶化ガラスを用いて光ファイバを作製することにより、ベースはガラスでありながら結晶機能を併せ持つファイバ型デバイスが可能となる。光ファイバにおいては、その透明性が優先的な特性であるため、光波長に比して充分に小さいナノ結晶子を有するガラス系を用いて、ファイバの作製と熱処理によるナノ結晶化を実施した。作製されたナノ結晶化光ファイバの波長1.55μmにおける伝搬損失を定量的に評価し、約0.15dB/cmであることを初めて明らかにした。この値は、従来光スイッチなどアクティブ光デバイスとして提案されている、ニオブ酸リチウム結晶を用いた拡散型光導波路の伝搬損失約0.1dB/cmとほぼ同等の値であり、結晶化ガラス光ファイバが高機能素子として極めて実用性の高い新規デバイス開発であることを示した。
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Research Products
(8 results)