2005 Fiscal Year Annual Research Report
他元素ドープ・可視光応答性の金属酸化物の表面光反応機構解明と光触媒活性の向上
Project/Area Number |
16350114
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中戸 義禮 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70029502)
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Keywords | 太陽エネルギー / 光触媒 / 金属酸化物 / ナノ粒子 / 表面分光法 / 表面構造制御 / フォトルミネッセンス / 反応機構 |
Research Abstract |
本研究では、TiO_2や類似の金属酸化物(ないしは窒酸化物)からなる光触媒について、太陽光水分解および有害有機物質の光分解の高効率化を目的として、表面光反応の分子論的機構の解明、ならびに新規の高活性な金属酸化物の開拓を主要課題にして研究を行った。今年度は、HFエッチングと550℃アニールの方法により作製した原子レベルで平坦な表面を有するn-TiO_2(ルチル)単結晶(100)および(110)面について、光電気化学的特性の結晶面依存性を詳細に調べ、以下の点を明らかにした。(1)水の光酸化反応の前駆体(surface-trapped hole, s. t. h.)から発するフォトルミネッセンス(PL)において、(100)面のPLスペクトルが(110)面のそれより少し長波長にずれる。これは、昨年度明らかにしたフラットバンド電位(U_<FB>)の差と合わせて考えると、(100)面のs. t. h.が(110)面のそれより約0.14eV上にあることを示す。(2)(100)面からのPLの強度は(110)面からのものより2倍ほど強く、また原子レベルで平坦化していない(表面欠陥の多い)面からはPLが観測されない。(3)原子レベルで平坦化したn-TiO_2(ルチル)表面上で水の光分解反応を進行させると、(100)、(110)どちらの面においても、表面構造に原子レベルの乱れが生じ、これに伴ってPL強度が減少する。これらの変化は照射光強度が強くなるほど顕著になる。これらの結果はすべて、水の光分解の開始反応(すなわちs. t. h.に対する水の求核的攻撃)が結晶のテラス面で起こり難く、ステップ等の表面欠陥で起こり易いという我々の提案する新しい機構によりよく説明され、この機構を強く支持する。さらに、可視光応答性の新規の金属酸化物光触媒の開拓についても研究を進め、BiMVO_6(M=Zn_2,Cu_2,or Ti)で表される複合金属酸化物が従来から高活性といわれているBiVO_4などより高い活性を示すことを見出した。
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Research Products
(6 results)