2005 Fiscal Year Annual Research Report
階層構造化法による自己支持性超分子フィルムの作製とその成形加工
Project/Area Number |
16350119
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山田 哲弘 千葉大学, 教育学部, 教授 (40182547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 健 日本大学, 生産工学部, 助教授 (30258123)
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Keywords | ペプチド型両親媒性分子 / ロイシンファスナー / 超分子フィルム / LB膜 / 気水界面単分子膜 / β-シート構造 / AFM / 複屈折性 |
Research Abstract |
本研究では,ロイシン(Leu)3〜6個が連鎖したペプチド誘導体を用い,β-シートとロイシン側鎖部分での噛み合い(以後ロイシンファスナーと呼ぶ)を階層化させた超分子フィルムの作製について検討している。本年度は,(1)柔軟な超分子フィルムの作成条件と成形加工,および,(2)分子を機能原子団で修飾した分子の合成と利用に向けたフィルム物性の検討の2項目を重点的に検討した。これらのうち,(1)では,力学的に加圧することで,柔軟な超分子フィルムが得られることから,加圧前後での偏光顕微鏡観察を行い,分子配向性を調べた。その結果,加圧によって作成された柔軟なフィルムが強い複屈折性を有するのに対し,キャスト法で作成した脆いフィルムは複屈折性を持たないことがわかった。このことは,加圧によって分子配向が整ったことを意味する。(2)については,すでに合成済みのパーフルオロアルキル鎖を有するトリロイシン型分子を用い,気水界面単分子膜を様々な表面圧でマイカ基板上にすくい取り,このLBフィルムのAFM観察を行った。用いた分子のπ-A曲線は,固体凝縮膜を形成する直前で一時的圧力増加を示した。この現象は前年度にロイシンファスナー形成と対応したものであることを明らかにしたものである。AFMを用いた表面形態観察の結果,表面圧の上昇に伴って,表面形態は欠陥の少ないものに変化していくことが明らかになった。このことも,加圧によって分子配向が整うことを示している。
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Research Products
(1 results)