2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧印加による高蛍光性含フッ素ポリイミドの発光機構解明と特性制御
Project/Area Number |
16350122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 慎治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00272667)
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Keywords | 高静水圧 / 光吸収スペクトル / 蛍光スペクトル / ポリイミド / 電荷移動錯体 / 発光機構 / ダイヤモンドアンビルセル / 高蛍光性ポリイミド |
Research Abstract |
H16年度は、超高圧下(〜10GPa)における光吸収スペクトルおよび蛍光ラマンスペクトル測定用のダイヤモンドアンビルセルと、高静水圧下(〜400MPa)における光吸収および蛍光励起スペクトル測定用の高圧光学セルを設計・購入し、これらを既存の光吸収分光計および蛍光励起分光計に装着して、高圧下での光学測定技術の立ち上げを行った。まず、3種の汎用ポリイミド(PI)に超高圧を印力し、分子間相互作用の強化にともなう光学物性変化を観測したところ、どの両薄膜においても加圧により光吸収スペクトル全体が長波長シフトし、すでに報告されている結果と類似の傾向を得た。さらに今回得られたスペクトルはさらに微少な変化が考察できる高精度のものであることが明らかとなった。吸収端に存在する電荷移動(CT)型の吸収ピークに圧力依存性が大きいことから、この波長域の吸収は分子間CT相互作用を強く反映していると考えられる。次いで、石英基板上に製膜したPI薄膜の紫外・可視光吸収スペクトル、励起/蛍光スペクトルを高静水圧下で測定した。超高圧下と同様に、CT性吸収帯の吸光度が加圧によって顕著に増加した。また、加圧による光吸収および蛍光スペクトルの変化と熱処理による変化が大きく異なることから、熱処理の場合は分子鎖間距離の短縮以外に凝集状態の変化が起きていることが示された。来年度は、本検討を高蛍光性ポリイミドに拡張し、ポリイミドの蛍光物性の本質を明らかにするとともに、新規の超耐熱・高蛍光性高分子材料の分子設計に反映させる。
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