2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧印加による高蛍光性含フッ素ポリイミドの発光機構解明と特性制御
Project/Area Number |
16350122
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 慎治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00272667)
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Keywords | 高静水圧 / 光吸収スペクトル / 蛍光スペクトル / ポリイミド / 電荷移動錯体 / 発光機構 / ダイヤモンドアンビルセル / 高蛍光性ポリイミド |
Research Abstract |
H17年度は、前年度に引き続き、ダイヤモンドアンビルセル(DAC,〜10GPa)と高圧光学セル(〜400MPa)を用いて、汎用ポリイミド(PI)及び本研究室で開発した高蛍光性ポリイミド薄膜に高静水圧を印加しながら、各種光学物性(光吸収/ラマン/蛍光励起スペクトル)の変化を観測した。PI薄膜の加圧により光吸収スペクトル全体が長波長シフトし、ラマンピークが高波数シフトする傾向がみられ、分子間距離の短縮と分子間相互作用の強化にともなう電子状態の変化が選択的に観察できたことから、この新しい測定方法の特微と優位性が明らかとなった。汎用PIであるPMDA/ODAでは電荷移動(CT)性吸収帯(波長〜400nm)において吸光度の顕著な増加、局所励起(LE)性吸収帯(<360nm)で顕著な長波長シフトが観測され、また高蛍光性のP2FDA/DMDBやP6FDA/DMDBでは、加圧後に減圧すると新たな吸収帯が不可逆的に出現した。加圧によりラマンピークが約10〜20cm^<-1>高波数シフトしたが、これは原子間距離の短縮により結合定数の増加に起因するものであることがDFT計算との比較より明らかとなった。CT性吸収とLE性吸収によって惹起される蛍光発光では変化の傾向が異なり、CT性蛍光の強度は加圧によって大きく減少した。以上の観測から、PIの各種光学スペクトルの圧力変化を検証することで吸収種や蛍光種の帰属の決定が可能となり、高蛍光性PIの光物理過程の理解と高機能化(量子収率の向上と白色発光)に資することができた。
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Research Products
(5 results)