2005 Fiscal Year Annual Research Report
高分子機能材料の非晶性組織化構造・ダイナミックスに関する精密固NMR解析
Project/Area Number |
16350125
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
堀井 文敬 京都大学, 化学研究所, 教授 (70124758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 弘典 京都大学, 化学研究所, 助教授 (30263148)
平井 諒子 京都大学, 化学研究所, 助手 (20156623)
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Keywords | 非晶構造 / 固体NMR精密解析 / 相関距離 / 有機発光デバイス / 有機高分子薄膜 / 分子運動 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、2DDOQSY法による^<13>C-^<13>C双極子相互作用を利用した分子内および分子間相関解析法をさらに精密な解析法に発展させるとともに、有機薄膜や有機エレクトロルミネッセンス(EL)デバイスの構造と分子運動の研究に応用した。 有機ELデバイスに利用されているいくつかの正孔および電子輸送物質について、^<13>Cおよび^<15>N選択ラベルあるいは重水素化試料を合成し、上記で確立した2DDOQSYや二次元magic angle turning(MAT)法、あるいは重水素NMR法により、コンホメーション並びにパッキング状態あるいは分子運動性を精密に解析した。また、化学シフト計算とその実験値の比較により、電子状態を明らかにした。 また、有機発光デバイスや有機太陽電池の基礎的研究として、有機高分子薄膜の構造とダイナミックスを明らかにするため、ポリエチレンテレフタレート(PET)薄膜について930MHz超高磁場固体NMRによる精密解析法の開発を行っている。また、1Hスピン拡散を利用することにより、薄膜表面近傍の高分子鎖のコンホメーション、分子運動性を解析するための新しい方法を開発している。この場合、PET薄膜表面にこの表面と親和性の高い液体状、あるいはゴム状物質を塗布することが重要で、これらの物質からの1Hスピン拡散を利用することにより、PET表面近傍の構造と分子運動が精密に解析できることを明らかにした。この方法は、種々の有機薄膜の表面構造の解析に応用可能と考えられ、今後の発展が期待される。
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Research Products
(6 results)