2005 Fiscal Year Annual Research Report
一次元トンネル接合列をもつSi単電子トランジスタの形成と電子輸送の制御
Project/Area Number |
16360004
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
石川 靖彦 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (60303541)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部 道晴 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (80262799)
池田 浩也 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (00262882)
|
Keywords | シリコン / 単電子トランジスタ / トンネル接合アレイ / 動作温度 / 動作電圧 |
Research Abstract |
本年度は、トンネル接合をアレイ化した単電子トランジスタ(SET)を作製するとともに、電流-電圧(I-V)特性評価を行った。SETの作製には、SOI(Silicon-on-insulator)と呼ばれるSiO_2層上に薄いSi結晶層が形成されている構造を用い、(1)SOI層中に埋め込んだ転位ネットワークの格子歪みが誘起する周期ポテンシャルを利用する方法、および、(2)SOI層をナノスケールで選択酸化し、高密度のSiドットを形成する方法、の主に2種類の独自手法によりトンネル接合アレイを形成した。 転位ネットワークを埋め込んだSOI層は、市販のSOIウエハ2枚を面内結晶方位を僅かにずらして直接貼り合わせることにより形成できる。転位ネットワーク内包SOI層をチャネルとする細線MOSFETのI-V特性を評価した結果、ドレイン電流-ゲート電圧特性に振動が観測され、単電子トンネルが生じていることを確認した。このドレイン電流振動は、約40Kまで観測された。今後、チャネル長依存性等を測定し、トンネル接合のアレイ化と動作温度の関係を明らかにしていく。一方、高密度のSiドットをチャネルとするMOSFETに対しては、単電子トンネル伝導経路に近接したドットの帯電状態を変化させることで、振動ピーク・バレイ電圧が変化することを確認した。現在は帯電状態の変化に光照射による過剰キャリアの発生を利用しているが、サイドゲートを配置するなどにより、SETの動作電圧制御が可能となることを示唆している。
|