2004 Fiscal Year Annual Research Report
モノドメイン液晶を形成するフルオレンオリゴマーを用いた高移動度有機トランジスタ
Project/Area Number |
16360011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
筒井 哲夫 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40037982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 克彦 九州大学, 総合理工学研究院, 助教授 (20281644)
片平 賀子 九州大学, 総合理工学研究院, 助手 (90315143)
安田 剛 九州大学, 総合理工学研究院, 助手 (30380710)
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Keywords | 有機トランジスタ / フルオレンオリゴマー / キャリア移動度 / 液晶 / ガラス薄膜 / キャリア注入 / 有機半導体 |
Research Abstract |
本年度(〜平成17年3月)の研究実績 平成16年度は、これまでに確立した有機薄膜FET作製と評価手法を駆使して以下の1、2の実験研究を実施し、フルオレンオリゴマーを用いた有機FETの特性向上への明確な指針を得ている。 1 有機FETの特性向上 モノドメイン液晶薄膜を形成し容易に手に入るポリフルオレン、その誘導体を有機半導体として、有機FETの特性向上を様々な手法により試みた。その結果、有機FETのキャリア注入を改善することで、ポリフルオレン誘導体やその他の有機半導体において、これまでに観測されていなかった電子輸送性を実験的に観測し、有機FETの動作原理、キャリア輸送に関する重要な知見を得ることに成功した。 2 モノドメイン液晶を形成する有機半導体の探索 (1)高純度、高配向性オリゴマーのトランジスタへの適用 オリゴマーはポリマーに比べ単分散で純度がよいため、キャリア注入型の有機FETでは高い移動度が期待できる。まずはモノドメイン液晶が得られるフルオレン7量体を用いて有機FETの作製を行った結果、ポリマーを超える特性は得られなかった。そこでフルオレン12量体の有機FETの作製したところ、ポリマーの約2倍の特性を得ることに成功した。これにより、有機FET材料の開発指針においてオリゴマー化が有益な手法であることを示した。 (2)π共役ポリマーを用いた有機FETの作製およびその実験データの収集 市販されている半導体ポリマーの各物性値(バルクのキャリア移動度、キャリア注入に関係するMOMO-LUMOエネルギー準位)を測定した。フルオレンと正孔輸送性のチオフェン等とコポリマー化することで、正孔注入障壁が軽減することが分かった。これを元にFET特性を整理し、来年度に使用するオリゴマー分子の設計を行った。
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Research Products
(6 results)