2005 Fiscal Year Annual Research Report
モノドメイン液晶を形成するフルオレンオリゴマーを用いた高移動度有機トランジスタ
Project/Area Number |
16360011
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
筒井 哲夫 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (40037982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片平 賀子 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (90315143)
安田 剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (30380710)
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Keywords | 有機FET / フルオレン / オリゴマー / 有機半導体 / 移動度 |
Research Abstract |
前年度までに得られた知見、モノドメイン薄膜においてフルオレンオリゴマーはポリマーよりも配向度の高い薄膜を形成し、オリゴマー薄膜を用いた有機電界効果トランジスタはポリマーよりも高い特性が得られることを発見した。また、フルオレンチオフェンコポリマー(F8T2)がフルオレンホモポリマー(F8)よりも高い移動度を有していることを見出した。今年度は上記2つの知見をもとに、フルオレン-チオフェンオリゴマーの合成を行い、その配向薄膜のFET特性を測定した。その結果、重合度を増やし分子鎖が長い分子ほど、配向した際に移動度が高くなるという前年度と同様の結果を得た。しかし、FET特性はポリマー(F8T2)には及ばなかった。これらの要因を考察した結果、分子鎖方向のキャリア輸送を論ずる際にも、隣接分子間のπスタックの概念が必要であり、πスタックが発達している程、移動度が高くなるという重要な知見を得た。この知見はこれまでの2年間のポリマー、オリゴマー配向薄膜FETに関する研究結果と合わせ、Organic field-effect transistors comprising glassy-nematic films of monodisperse conjugated oligomers and polymersというタイトルでフルペーパーとして提出中である。さらにこれらのフルオレン誘導体と金属との接触抵抗に関する実験も行い、金電極を単分子膜で皮膜することで接触抵抗を大きく低減することに成功し、FET特性を向上させることが出来た。 また、これまでに有機半導体配向技術を生かし配向薄膜を利用した新しいデバイス、偏光フォトディテクターの研究にも着手し成果を挙げている。
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Research Products
(6 results)