2005 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー白色SR平行マイクロビームの細束化と素子局所スペクトル分布像の可視化
Project/Area Number |
16360012
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
近浦 吉則 九州工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40016168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 芳文 九州工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10206550)
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Keywords | シンクロトロン光 / マイクロビーム / 散乱トポグラフィ / デバイス構造評価 / イメージング |
Research Abstract |
本研究では、結晶中の動力学回折共鳴現象をエネルギー分散測定を行い、完全結晶による原子散乱因子の測定ならびに不完全結晶の二次構造の可視化を行う。結晶中の波動場の干渉によるエネルギーペンデルビート法の開発と不可視情報の可視化技術の開発を目的とした。可視化はマイクロビーム走査スペクトロ散乱イメージングに基づく。X線の回折条件を満たす条件に置くと、その結晶中で、干渉の結果、波動場が形成されペンデルビート現象が起こる。これは波動場の干渉であるため、結晶中の歪場に非常に敏感であることが考えられ、結晶性の評価として用いることができる。また、結晶の完全性が高い場合にはペンデルビートから原子散乱因子の測定が可能である。回折ピークの積分強度を波長軸にプロットしエネルギーペンデルビートを得る。この局所スペクトルのマイクロビーム走査によりエネルギー分散の散乱トポグラフを取得する。 完全結晶のケースでは、測定位置を変えて得られたペンデルビートの比較の結果、極大極小における波長のずれが0.1%程度以内であったことから散乱トポグラフとペンデルビートの両面から結晶性が良いととが確認できた。測定したペンデルビートの極大極小位置の波長を理論式に代入して構造因子を求め、原子散乱因子を計算した結果、8.548±0.031となった。銅拡散した試料のケースでは、結晶中に局所変異が統計的に分布していると仮定して展開された統計的動力学回折理論を導入した。その結果、二次消衰によるエネルギーペンデルビートの傾向と一致した。 以上の通り、我々が独自の開発をしたHEWPMマイクロビームを用いて、動力学的回折理論に基づいたエネルギーペンデルビート現象を確認し、原子散乱因子を算出することができた。また、欠陥近傍の高分解能エネルギーペンデルビート法により、通常のX線トポグラフィではこれまで得られなかった構造評価を行うことができた。
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Research Products
(4 results)