2004 Fiscal Year Annual Research Report
非線形レーザー顕微鏡による神経細胞の興奮メカニズムの超高時間・空間分解観測と制御
Project/Area Number |
16360024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森田 隆二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30222350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷原 一寿 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40153746)
戸田 泰則 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00313106)
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Keywords | 非線形レーザー顕微鏡 / 超広帯域スペクトル / スペクトル干渉 / フォトニック結晶ファイバー / 光第2高調波顕微鏡 / コヒーレント反ストークスラマン散乱 / レーザー走査トンネル顕微鏡 / 3次元空間分解 |
Research Abstract |
本年度は、非線形レーザー顕微鏡ならびにそれに用いる光パルスに関する以下の成果を得た。 1)自己位相変調効果を用いて、1オクターブを超える超広帯域スペクトル(460-1060nm)を有する光パルスを発生し、研究者らが独自に作製した、変形スペクトル干渉位相電場再生システムおよびフィードバック位相補償システムによるフィードバック位相補償を行うことにより、2.8fs,1.5サイクルのフーリエ変換限界光パルスの発生に成功した。これは、スペクトル位相が決定された可視・赤外領域における世界最短パルスである。 2)微細構造ファイバーであるフォトニック結晶ファイバー中にフェムト秒光パルスを伝播させることにより、620-945nm超広帯域スペクトルを発生させ、変形スペクトル干渉位相電場再生システム、フィードバック位相補償システムを組み合わせたフィードバック位相補償を行い、フォトニック結晶ファイバーからでは世界最短の5.8fs(2.3サイクル)の高繰り返し光パルスの発生に成功した。これは、コヒーレント反ストークスラマン散乱顕微鏡の光源となる光パルスである。 3)生体物質の3次元空間分解観測に適用可能な光第2高調波レーザー顕微鏡を試作し、現在、横方向分解能、焦点深度方向分解能の向上を目指している。現在、空間分解能は、〜2μm程度である。 4)フェムト秒レーザーと走査トンネル顕微鏡を結合させ、フェムト秒時間分解トンネル電流の測定に成功した。この測定には、時間遅延を変調したフェムト秒パルス対を用い、試料としては低温成長GaNAsを用いた。試料は、653fsと55.1psの2つの高速緩和過程を示し、これらの結果は、従来のポンプ・プローブ法による光学測定の結果と一致し、本測定法の妥当性を示している。
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Research Products
(5 results)