2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロリング共振器によるノンブロッキング波長スイッチの研究
Project/Area Number |
16360031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
國分 泰雄 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60134839)
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Keywords | 光集積化 / 3次元集積化 / マイクロリング共振器 / クロスグリッド配置 / 波長フィルタ / 透過帯域平坦化 / 中心波長制御 / トリミング |
Research Abstract |
本研究では,次世代フォトニックネットワークにおいて,波長をアドレスとして自在なルーティングを実現するために不可欠な,ノンブロッキング型波長スイッチの実現を目指している.このデバイスは,チューナブルAdd/Drop波長フィルタと光路切り替えスイッチの機能を同時に実現するデバイスで,チューナブル波長フィルタの中心波長を変化させた時に他の波長チャネルをブロックせずに,新たな波長チャネルにドロップ波長(フィルタ中心波長)を切り替える新機能デバイスである.この新機能デバイスを実現するため,本研究では高次直列結合マイクロリング共振器の中心波長を個別に制御して,中心波長が全て一致したときにだけドロップポートにスペクトルピークが出現し(ON状態),中心波長をずらした状態ではスペクトルピークが消失して全波長チャネルがスルーポートに伝達される(OFF状態)原理を考案し,その基本動作の実証を目指した. まず広範囲な波長チューニングを実現するため,ポリマー材料をコアに用いた2次直列結合マイクロリング共振器フィルタの個々の共振器上にマイクロヒーターを集積化して,熱光学効果によって個別に中心波長を制御した結果,2つの中心波長が一致した初期状態でドロップポートのスペクトルピークが出現し,一方に通電した場合に消失する(OFF状態)になることを確認した.さらにOFF状態で両方の中心波長をずらしたまま約2nm移動させ,その後に両方の中心波長を一致させることによって,別の波長にスペクトルピークを出現させる事に成功し,ノンブロッキング波長スイッチの基本動作を実証した.現在のポリマーを用いたデバイスでは応答速度がmsec以上で,また2次直列結合ではクロストークが不十分であるので,今後は誘電体コアを用いた3次以上の高次マイクロリング共振器による高速化と低クロストーク化を企る.
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Research Products
(11 results)