2004 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス基板表面の核形成点制御による大粒径多結晶薄膜形成法の開発
Project/Area Number |
16360070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安武 潔 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80166503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 平司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90379115)
志村 考功 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90252600)
大参 宏昌 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00335382)
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Keywords | 多結晶Si薄膜 / 大粒径 / ガラス基板 / Ge微結晶 / 結晶核 / 核形成 / 自己組織化 / 固相結晶化 |
Research Abstract |
液晶ディスプレイ用薄膜トランジスタ(TFT)や太陽電池などの大面積電子デバイスの特性向上を目指して、多結晶Si(poly-Si)を用いる試みがなされている。これまで、poly-Si薄膜の形成方法として、非晶質Si(a-Si)薄膜のレーザーアニールや固相熱結晶化、低温でのCVD成長等の技術が開発されているが、より効率的で大粒径のpoly-Si薄膜形成技術の確立が望まれている。poly-Si薄膜の形成には、ガラス基板上での結晶核形成および結晶核からのSi結晶成長プロセスを独立に制御することが重要と考えられる。そこで本研究では、Si結晶の成長核となる微細なGe結晶を、ガラス基板上に密度と大きさを制御して配列し、これを結晶核とした大粒径多結晶Si薄膜の作製法を開発することを目的とする。ガラス基板上のGe結晶核として、a-Geの固相結晶化により自己組織的に形成されるGe微結晶に着目し、その粒径と密度を酸素エッチングによって制御する方法を確立した。本研究で開発したGe微結晶核形成法は、次の2段階のプロセスよりなる。(1)まず、室温でガラス基板上にa-Ge薄膜(10-100nm)を真空蒸着した後、温度250-500℃、時間(0.5-12h)の真空アニールによりGe微結晶を形成する。次に、(2)減圧酸素雰囲気中(10^<-6>-10^<-4>Torr)でアニール(350-500℃,15-60min)(酸素エッチング)を行う。Ge微結晶の自己組織化成長と、酸素エッチングの条件を最適化することにより、Ge微結晶の粒径と密度を、それぞれ、数10-600nm、10^6-10^9cm^<-2>の任意の範囲で制御することを可能とした。また、これらのGe結晶核を有する基板を用いたa-Si薄膜の固相結晶化実験により、ガラス基板上のGe結晶粒が、Si結晶成長核として有効に働くことを実証した。
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Research Products
(2 results)