2005 Fiscal Year Annual Research Report
流れの可視化による中高速歯車装置の効率的な冷却と潤滑手法の検討
Project/Area Number |
16360077
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北條 春夫 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (40108238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 茂樹 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (30272719)
森 正人 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (90361774)
大嶋 俊一 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (30262322)
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Keywords | はずば歯車 / 潤滑油供給 / 冷却 / かみ合いはずれ / トレーサ / 流れの可視化 / 3次元 |
Research Abstract |
本研究の目的は,動力伝達用歯車の発熱をいかに冷却すればよいかを,かみ合いはずれにおける冷却材としての潤滑油供給法の観点から調査すべく,歯と歯がかみ合っている領域から終了する領域にわたる媒質の運動を把握しようとするものである. 前年度には,透明アクリル樹脂製はすば歯車を水中で運転し,トレーサ粒子として水と比重が類似のポリスチレン粒子(直径約0.1mm)を用い,通常の歯車では観察することのできない,かみ合っている領域の空隙を歯車の内部(中心)から可視化できた.かみ合い終了時に周囲の媒質を吸い込む挙動の観察に成功したが,観察結果は,歯面を通じてその裏側から見える範囲に限られ,その奥行き方向(半径方向)の位置を含めた3次元的な把握は困難であった. 今年度は,単に歯車の内側からの2次元的観察に加え,歯すじ方向からの観察をして従来の観察結果を検証すると同時に,その3次元的な位置,すなわち歯溝の隙間の中でトレーサ粒子が隙間の厚み方向でどの位置にあるかを観察することに主眼をおいて実験を行った.まず,観察されるトレーサ粒子の奥行き(光軸)方向の位置を把握するための手法として,水槽壁を構成する透明アクリルが円筒レンズの作用を持つことを明らかにし,これを利用して焦点はずれの像のぼけが広がる方向が異なることを発見し,粒子の焦点合致位置からの前後のずれを把握して流れの3次元的挙動を把握した.その結果,歯溝内部において,媒質が隙間を構成する駆動側の歯と被動側の歯に沿って流れたり,歯すじ方向には運動するものの,軸直角面内では滞留しているなどの挙動を明らかにすることができた. また,かみ合いはずれにおいた邪魔板による流れの変化を把握し,今後の潤滑油供給のための指針作りへの基礎を築くことができた.
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Research Products
(1 results)