2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ分子膜と表面ナノ構造の相互作用を利用した機能性トライボ表面の創成に関する研究
Project/Area Number |
16360079
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三矢 保永 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10200065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 健二 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60324448)
張 賀東 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (80345925)
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Keywords | ナノ潤滑膜 / 表面ナノ構造 / PFPE潤滑剤 / 化学的テクスチャ / 紫外線照射 / 分子シミュレーション / 表面モルフォロジー / 磁気ディスク |
Research Abstract |
紫外線(UV)照射によるPFPE系潤滑膜の化学的テクスチャ形成に重点を絞り,テクスチャ形成条件の最適化,テクスチャ形成メカニズムの解明を進めるとともに,機械的摺動に対する減耗特性および修復特性を評価した.また,分子シミュレーションを用いて,極性潤滑剤の表面モルフォロジーを定量化するための研究を進め,分子の層状配列に依存して膜表面に粗さが形成されるメカニズムを解明した. 1)化学的テクスチャ形成法の確立 潤滑剤としてUV官能型PFPE系潤滑剤(AM3001)を用い,窒素雰囲気中においてマスクを介してUV露光(波長172nm)することにより,DLC表面にナノ凹凸テクスチャを形成することに成功した.ナノ凹凸がUV非照射/照射境界に生じる分子流動によって形成されることを確認し,マスクの透過/非透過パターンの間隔を,流動が及ぶ範囲内(約0.6mm以内)に限定することにより,任意のナノ凹凸形状の形成が可能となった. 2)化学的テクスチャ形成メカニズムの解明 膜厚をパラメータにして,UV照射/非照射の条件において,表面エネルギーを測定し,液体薄膜の表面流動が境界部の分離圧の差異によって説明できることを確認した. 3)化学的テクスチャ付き潤滑膜の減耗・修復特性の比較 UV照射による化学的テクスチャ形成を各種のPFPE潤滑剤に試みて,ピンオンディスク式の摺動試験器を用いて,減耗・修復特性を比較評価した.化学的テクスチャの形成は,AM3001では確実であり,また無極性潤滑剤Z03に対しても有効であるが,極性潤滑剤Zdolには無効であることを明らかにした. 4)分子動力学法による表面モルフォロジーのシミュレーション 層状構造をもつ極性潤滑膜の膜厚方向のエネルギー変動と潤滑膜の塗膜安定性の関係を解析し,極性末端基の凝集領域が生成されることによって膜表面の粗さが周期的に変動することを明らかにした.
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Research Products
(14 results)