2006 Fiscal Year Annual Research Report
高頻度振動換気法適用時の肺胞および肺胞管内マイクロスケール換気機構解析
Project/Area Number |
16360088
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
川橋 正昭 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70008853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 裕行 埼玉大学, 理工学研究科, 助教授 (20201733)
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Keywords | 呼吸換気 / 細気管支 / 肺胞管 / マイクロチャンネル / 振動気流 / 高頻度振動換気(HFOV) / マイクロPIV |
Research Abstract |
通常呼吸換気の機構,特に気道から肺の末端組織における換気メカニズムにおける流れの作用に対して,早産児呼吸管理などに多用されている人工換気法の一種である高頻度振動換気法(HFOV)を適用したときの換気メカニズムの変化について,主に実験的に解析し,肺胞組織近傍におけるマイクロスケール物質拡散機構,および呼吸細気管支におけるマイクロスケール振動流構造,気道部のストリーミングおよび乱流作用を伴う振動流構造などの呼吸換気作用における流体機能が,高頻度振動換気法適用時にどのように変化するか,さらに高頻度振動換気適用時に生じる振子流など特有の現象について調べることにより,この喚起法の有効性や作動条件の最適化などについて検討し,より信頼度の高い高頻度振動換気法の確立に資することを目的として,以下について研究を実施した. (1)終末気管支および分岐肺胞管についての実寸法モデル内の振動流解析 前年度までに作成された,終末気管支から肺胞組織部にいたる実寸法多分岐マイクロチャネルモデルを用いて,引き続き臨床用高頻度振動換気装置により駆動されたモデル内の呼吸換気振動流について,マイクロPIVシステムを用いてマイクロスケール振動流の詳細な時系列流速分布計測を行い換気機構の解析を行った. (2)高頻度振動換気適用時に生じる特有の流れ現象の検討 使用した多分岐モデルに加えて,あらたに非対称気道狭窄を有する多分岐気管支モデルを作成し,両者に高頻度振動換気法を適用し,肺終末組織における時定数のばらつきや細気管支狭窄などにより発生すると予測されている振子流について実測によりその存在を明らかにし,その現象に対する呼吸周波数の影響を明らかにした. (4)研究のまとめ 本研究の最終年度にあたることから,これまでの成果をまとめて国際会議で発表すると共に,国際ジャーナルに投稿し掲載された.
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Research Products
(3 results)