2004 Fiscal Year Annual Research Report
高分子溶液のマイクロチャネル内流れのブラウン動力学シミュレーション
Project/Area Number |
16360091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 教安 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30124069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 剛宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40252621)
保田 和則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80239756)
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Keywords | 高分子溶液 / ブラウン動力学シミュレーション / マイクロチャネル / マイクロ流れ / 分子鎖モデル / 分子配向 / 流動誘起構造 / 単純せん断流れ |
Research Abstract |
研究では,高分子溶液のマイクロチャネル内流れにおける高分子鎖の配向と特異な流動場の解明を目的として,ブラウン動力学シミュレーションによる数値解析と流れ場の測定と分子配向の光学測定の実験を行った.数値解析においては,分子鎖モデルの検討のために,有限伸長性非線形(FENE)バネで連結されたビーズ・スプリングモデルを用いて,単純せん断流れ下のモデル分子の挙動のブラウン動力学シミュレーションを行った.そして,モデル分子の挙動と系のレオロジー特性の解析を行い,本モデルで,一般的な高分子溶液のレオロジー特性を表現できることを確認した.さらに,分子の絡み合いの効果を取り入れるためにビーズ間のポテンシャルを導入したモデルの検討を行っている.また,流路内流れの計算のために,マクロ的な流れの計算手法に,高分子を分子モデルによりモデル化し,統計力学的手法を用いて分子挙動の計算を行う手法を組み込んだCONNFFESSITアプローチを用いた計算プログラムを作成し,通常の構成方程式を用いるマクロ的計算手法による結果と同様の結果が得られることを確認した.さらに,マイクロ流路において見られる分子と壁面との相互作用や壁面におけるすべり現象を取り入れたモデルの開発を行っている.実験では,マイクロ流路内の高分子水溶液の急縮小流れにおける流速測定実験を行い,マクロ流れとの流れ挙動の違いを見出した.また,分子配向を測定するための光学実験システムを構築し,微小領域における流動複屈折の測定に成功した.
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