2005 Fiscal Year Annual Research Report
大粒径浮遊液滴の界面大変形と内部流動挙動に関する研究
Project/Area Number |
16360097
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
阿部 豊 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (10241720)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 聡 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 研究員 (90360718)
西成 活裕 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (40272083)
渡辺 正 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主幹 (50391355)
|
Keywords | 浮遊液滴 / 固有振動 / 微分幾何 / 境界渦法 / ガウス=コダッチ方程式 / 回転変形 / 超音場 / 静電浮遊 |
Research Abstract |
静電浮遊ならびに超音波浮遊技術を用いた液滴浮遊実験を行った。静電浮遊実験の結果、浮遊液滴の回転が液滴界面の変形挙動に与える影響を明らかにするとともに、変形の挙動が非線形となるしきい条件を明らかにした。これにより、理論ならびに数値解析との比較検討を行うためのデータベースを得ることが出来た。超音波浮遊実験においては、大粒径透明液滴の浮遊実験を地上の通常重力環境と航空機を用いた微小重力環境の両環境で行い、重力場が浮遊液滴の形状や内部流動に及ぼす影響を明らかにした。PIV法を用いて大粒径浮遊液滴の内部流動測定を行い、界面変形と内部流動を定量評価することによって流れ場の挙動についての評価を行った。 液滴の非線形挙動について、回転が加わった際の固有振動数変化について理論的に調べ、回転による扁平形状への変形効果について摂動論を用いて振動数補正を得ることができた。その結果、モードや軸対称性のずれの程度により、振動数補正は正にも負にもなりうることが分かった。回転数をあげていくと軸対称扁平形状が不安定化することも理論と数値計算により示した。以上の非線形解析の基礎理論として、曲面の大変形運動の取り扱いについて検討し、ガウス=コダッチの方程式を用いて曲面上の座標系を用いた記述方法を考案し、幾何的非線形の取り扱いの枠組みを完成した。 浮遊液滴の三次元非定常流体場の数値シミュレーションを行うために、流動を表すナビエストークス方程式と界面の運動を表す方程式を連立させレベルセット法により解く三次元コードを開発し、並列化による高速化を施した。液滴の形状振動に及ぼす変形振幅及び回転による影響を調べ、振幅が増加すると振動数は減少し、回転数が増加すると振動数も増加することを明らかにした。
|
Research Products
(4 results)