2005 Fiscal Year Annual Research Report
沸騰蒸発条件の最適化による超高発熱密度対応小型冷却システム開発のための基礎研究
Project/Area Number |
16360107
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大田 治彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50150503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 浩一 九州大学, 大学院・工学研究院, 講師 (70380574)
新本 康久 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30226352)
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Keywords | 沸騰 / 相変化 / ミクロ液膜 / マランゴニ / 狭隘流路 / 自己浸潤性 / センサー / 局所熱伝達 |
Research Abstract |
高熱流束核沸騰時に問題となる薄液膜蒸発に着目し、冷却方法に関する基礎的、普遍的、系統的な考え方を見出すことを目的として、気泡底部液膜挙動の詳細観察と気液メニスカスに沿った熱流束分布を詳細に計測することを試みた。 気泡底部の薄液膜の蒸発挙動や対応する局所熱伝達の評価および気泡底部気液挙動を観察するための透明伝熱面を開発した。表面温度制御により成長気泡底部のミクロ液膜蒸発による熱伝達促進効果およびドライアウト面の熱伝達劣化を確認した。計測結果より気泡底部の三相界面位置についてもおおむね特定できた。 混合媒体の使用による限界熱流束の増大を目的として、扁平気泡底部ミクロ液膜挙動に及ぼすマランゴニ効果の影響を検証するための基礎実験としてプール沸騰実験を行った。高級アルコール系水溶液のアルコール低濃度域を対象として、自己浸潤作用を持つ混合液体の種類、濃度、温度範囲の確認をし、相平衡データをもとに詳細な相平衡図を作成した。ミクロ液膜の先端方向に沿う低沸点成分の濃度減少と温度上昇に伴う表面張力の変化を推算した。扁平気泡挙動、ミクロ液膜挙動、乾燥部挙動に関する観察結果および扁平気泡底部における局所熱流束分布状況について純水を用いた場合と比較した。 また、扁平気泡底部ミクロ液膜および扁平気泡挙動、温度分布、局所熱伝達の把握のために、小型冷却システムで採用される狭隘流路を用いた強制流動沸騰実験を行った。純水について、入口液体流速と入口液体サブクール度の組合せに対して、限界熱流束の条件を調べた。狭隘流路の間隙幅を小さくした場合について、実験結果に基づいて限界熱流束増大を目的とした液体供給方法、入口液体流速、入口液体サブクール度の最適組み合わせについて検討した。
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