2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360116
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神吉 博 神戸大学, 工学部, 教授 (00273764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 和彦 神戸大学, 工学部, 助教授 (30243322)
川西 通裕 神戸大学, 工学部, 助手 (00283870)
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Keywords | 軸流タービン / 遠心圧縮機 / 不安定振動 / ラビリンスシール |
Research Abstract |
スペースシャトルやHII-Aロケットエンジンをはじめ超高圧蒸気タービン等軸流タービンの不安定振動問題や、石油、天然ガスの効率的な取出しに不可欠な超高圧リインジェクションコンプレッサー等の不安定振動問題の解決は、我が国の情報産業やエネルギー問題の解決に必要不可欠な課題である。そしてこの種の技術の高さが世界における日本の立場を支配する重要なポイントとなっている。 本研究では軸流タービンに起こる不安定振動と遠心コンプレッサーで発生する不安定振動を統一的に見直し、現象解明を行うとともに、それぞれに適した防止対策を考慮し、これを理論的、実験的に検証することを目的とする。 まず、従来型ラビリンスシールを持つ軸流タービンにおいて空気流量や空気の送入条件を種々変えて実験を行い、目的とする不安定振動を発生させることに成功した。引続き振動防止型シールを設計、製作し、順次実験を実施した。優先的に従来と全く異なる逆絞りフィン付シールについて実験をした。トルク励振力と呼ぶ不安定振動の主要因とされる力について、新しいシール構造はこの力を減少させるか又は安定化力を与えることが出来ることを確認できた。さらにいくつかのシール形状について実験した後、以前から着目していたノズルと動翼入口のステップアップについても実験を実施し、ステップアップの量によって不安定化、安定化の作用があり、動翼入口部の形状の重要性が再認識できた。これに詳細な理論的考察を加え、不安定振動の根本解明につなげた。 一方、遠心圧縮機の不安定振動についても、独特の実験装置を開発した。すなわち軽量なFRPの遠心羽根車と独特な軸と軸受構造により、低い固有振動数と極端に減衰の小さい系を実現し、これまで実験室では再現不可能とされていた不安定振動を起こすことの可能な画期的な実験装置を完成した。今後本実験装置を用いてさらに研究を続ける予定である。
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Research Products
(4 results)