2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しいエネルギ消散原理を用いたダンパ(コロイダルダンパ)の開発研究
Project/Area Number |
16360117
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岩壺 卓三 関西大学, 工学部, 教授 (00031097)
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Keywords | ダンパ / コロイダルダンパ / 疎水性シリカゲル / 水・グリセリン・ホルムアミド / 接触角ヒステリシス / 分子動力学シミュレーション / 静特性・動特性 |
Research Abstract |
本年度はコロイダルダンパの開発のために以下のような研究を行った。 1.多孔質を作っている材料の選択 シリカゲル材について細孔の直径を変えてラプラス圧、耐久性、耐圧性などの特性を調べ、適用範囲を明らかにし、その結果ダンパの材料としてはフジシリシア製SMB70-20-MT-C8を用いることに決めた。 2.ダンパメカニズムの開発 コロイダルダンパはエネルギ消散の原理から圧縮の時のみ効果が生じるので、往復両ストロークで減衰を生じさせるためには機構学的な工夫をしたダンパとして与圧を掛けておく方法と逆支弁を用いる方法があるが、本年は前者の方法について詳しい実験を行い、微小振動、大振動に対する減衰効果周波数に関する減衰効果等について評価し、応用のためのデータを集めた。 3.従来のオイルダンパとの比較 次に従来ダンパとして用いられているオイルダンパとコロイダルダンパの動特性の比較を行うために実験装置を作成し、両特性を得るための実験を行った。その結果、予想していたようにコロイダルダンパは単位面積当りの減衰率の大きいこと及び発熱しないことが明らかとなった。また周波数特性については測定した周波数範囲が狭い事から余り大きな差は出なかった。 4.自動車用アブソーバとしての応用研究 ダンパとして最もよく使用されているのは、自動車用懸架装置であることから、自動車用として従来のダンパよりどれ位優れているかを調べるための実験装置を設計・製作した。来年度にこの実験を行う予定である。 5.コロイダルダンパの耐久性の評価については10^6回耐久試験を行っても変化がなかった。 6.理論的解析法については実用化試験を急ぐため、項目3,4を行ったので今年は行わなかった。
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Research Products
(3 results)