2005 Fiscal Year Annual Research Report
表面深さ分解能を有する誘電計測による高分子電気絶縁材料の劣化診断技術の開発
Project/Area Number |
16360142
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
所 哲郎 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (10155525)
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Keywords | シリコーンゴム / 撥水性 / STRI法 / 誘電計測 / くし形電極系 / レーザ顕微鏡 / ATH / 表面処理 |
Research Abstract |
研究2年目である本年度は、申請者等が運営する電気学会調査専門委員で用意した8種類の試料を用い、その劣化診断手法を引き続き検討した。 まず、試料表面の撥水状態の計測に関しては、前年度までの研究成果を基にその一連の処理の自動化を進めた。その結果、撥水レベルを自動計測することにめどを付けた。この成果に関しては最終年度に論文の形で報告予定である。次に、前年度導入したレーザ顕微鏡によるミクロな試料表面状態の観測については、そのデータ処理に際して、スパイク状ノイズの除去と試料面の傾斜の影響の除去を行う必要性が明らかとなったので、引き続き解決策を検討していく。なお、ミクロ表面形状の計測結果からは、試料の吸水・乾燥過程を、ATHの分量と充填材の表面処理の効果として数値的に確認できた。充填材に表面処理を施してある試料の微小な変化の診断に関しては、上記のノイズ等の除去が不可欠である。また、新たにIECで検討されている傾斜平板法を用いた撥水性評価に関しては、水滴の長さ計測により新たな指標を得られる可能性が見いだせた。 次に誘電計測を用いた劣化診断技術については、その改良を引き続き推進し、より信頼性に富む劣化診断・材料評価システムを構築するための研究を行った。その結果、特に試料表面が濡れているなど、そのままでは表面漏れ伝導により試料表面および内部状態の計測が困難となる場合についても、くし形電極前面に絶縁体を挟み高周波までの誘電特性を計測することにより、その状態計測が可能となることが示唆された。ただし、この場合も計測器での試料等価回路設定により、見かけ上全く異なる傾向が検出されるため、そのデータ解析と取り扱いには更なる検討を要することが示唆された。次年度は、今年度新たになった課題を克服し、充填材界面の変化が撥水性や誘電特性というマクロな測定結果にどの様に影響するのか等を引き続き明らかにしていく。
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Research Products
(5 results)