2007 Fiscal Year Annual Research Report
高強度ニオブ3スズ線材に対する繰り返し曲げ歪による臨界電流向上の機構解明
Project/Area Number |
16360145
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 和雄 Tohoku University, 金属材料研究所, 教授 (30143027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淡路 智 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10222770)
西島 元 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30333884)
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Keywords | 超伝導材料 / 金属物性 / 低温物性 / 省エネルギー |
Research Abstract |
平成19年度は、繰り返し曲げ歪による臨界電流向上を応用するために、撚り線を作製して特性評価を行った。1000A級の撚線を開発するに当たって、電流容量を小さくしたプロトタイプを新たに作製して研究を進め、Nb_3Sn素線をこれまでの1mmから0.6mmに線径を小さくした。断面で1/2.8になっているため、3本の撚線で1mm直径相当の電流容量で特性評価を行える。作製した0.6mmのNb_3Sn素線に対して、基本特性を確認した。高磁場コイルでは高強度が要求されるが,ここでは補強線(ステンレス線:ヤング率200GPa,許容応力560MPa)と組み合わせることにより臨界電流と強度の最適化を図った。このとき、ステンレス線と事前曲げ歪みを与えたCuNb補強Nb_3Sn線材との撚線が特性劣化なく製作できるかを調べた。直線状のショートサンプルに曲げ歪みを印加するホーマーによって繰り返しを5回程加えて超伝導特性を測定した結果、これまで測定された1mm直径の線材と同等な特性が得られた。すなわち、繰り返し曲げ歪みによる残留歪みの緩和が生じBc2が改善することで臨界電流が向上していく。この改善効果を3撚線とステンレス線材4本との7本撚線である3+4撚線に適用させてみた。反応熱処理させたCuNb/Nb_3Snを0.8%の曲げ歪みをプーリーを通過させることで10回印加する。その後、撚線による曲げ歪みが0.5%になるように撚線のピッチをきめて3撚線と3+4撚線を作製した。臨界電流の測定結果は、プーリーによる事前曲げ歪みを印加しないで作製した3撚線と3+4撚線の比較用サンプルに比べて、事前曲げ効果が撚線の状態で反映されることが分かった。補強のない3撚線では巨大なフープ力下では大きく臨界電流特性が劣化することを考えると、事前曲げ歪みを印加型3+4撚線の特性として極めて注目される。
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Research Products
(10 results)