2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコン波励起プラズマスパッタ法による酸化物半導体・誘電体エレクトロニクスの展開
Project/Area Number |
16360146
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秩父 重英 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (80266907)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上殿 明良 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (20213374)
末益 崇 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (40282339)
|
Keywords | ヘリコン波励起プラズマ / 酸化亜鉛 / 誘電体酸化物 / 透明導電膜 / 分布ブラッグ反射鏡 / エピタキシャル成長 / 多層構造 / MgZnO |
Research Abstract |
「ヘリコン波励起プラズマスパッタ(HWPS)法」を用いて酸化物エレクトロニクスを開拓すべく、(1)MgZnO/ZnO構造を形成し紫外線発光デバイスへの展開を図る、(2)β-FeSi_2吸収層太陽電池のn層ないしは窓層としてITOを、また、CuGaInSe_2吸収層太陽電池の窓層としてZnO:AlおよびZnO:Gaを製膜し、変換効率向上を目指す、(3)酸化物誘電体多層膜反射鏡を形成し、微小共振器に応用する、(4)p形透明導電性酸化膜の形成を試みる、を最終目標として16年度に研究を開始した。本年度得られた成果は以下の点である。 (1)a面サファイヤ上へのZnOエピタキシャル成長において、30nm程度のZnOを低温で堆積後、800℃程度の高温で熱処理することにより得られる「高温熱処理自己緩衝層」を挿入することにより、表面平坦化が行われた。その結果、低温で自由励起子・ポラリトン構造の観測できるヘテロエピタキシャル層の成長が可能となった。 (2)III族ドナー不純物をAlからGaに変えたZnO:Ga透明導電膜を堆積した。現在のところZnO:Alに比べて移動度が低いため抵抗率が高いが、ZnO:Al同様、10^<20>cm^<-3>台の電子密度を実現できた。今後、高移動度化を試みる。 (3)SiO_2/ZrO_2誘電体多層膜分布ブラッグ反射鏡(DBR)の設計と作製を行い、所望の波長(366nm)に中心波長を持ち、反射率が95%以上となる帯域幅が80nmに及ぶ高反射率反射鏡の作成に成功した。今後は、ZnOエピタキシャル層上への多層膜形成を行う。 (4)Cu、Alの金属ターゲットと酸素ガスを用いた反応性HWPS法およびCuAlO_2焼結ターゲットを用いたデラフオサイト構造p型透明導電膜のHWPS形成に着手した。現在、吸収端がCuAlO_2の直接遷移ギャップに近い薄膜堆積ができるようになった。
|
Research Products
(3 results)