2005 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスコピックジョセフソン接合超格子における量子トンネル現象の研究
Project/Area Number |
16360147
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
入江 晃亘 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90241843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 銀一郎 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00006280)
北村 通英 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90161497)
石井 清 宇都宮大学, 工学部, 教授 (30134258)
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Keywords | Bi_2Sr_2CaCu_2O_y / 固有ジョセフソン接合 / メゾスコピック現象 / SQUID / vortex flow / 超伝導ギャップ / 磁性体 / 超伝導体接合 |
Research Abstract |
本研究は,層状酸化物高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_y(BSCCO)単結晶に内在する固有ジョセフソントンネル接合超格子をサブミクロン領域まで微小化することにより,同超格子のメゾスコピック現象に関する新たな機能を創出することを目指すのもであり,本年度は以下の成果を得た. 1.サブミクロン固有ジョセフソン接合の作製並びにその電流-電圧特性の評価 昨年度に引き続きBSCCO単結晶を電子ビームリソグラフィによりサブミクロンサイズのメサ型素子(接合面積:0.49μm^2)に加工し,その電流-電圧特性を評価した.また,臨界電流ゆらぎを評価したところ,サブミクロン試料の電圧超体へのスイッチング電流は熱ゆらぎにより決定されていることがわかった. 2.固有ジョセフソン接合を用いた量子干渉素子の作製 固有ジョセフソン接合を用いた量子干渉素子の作製に成功し,臨界電流の磁場依存性を評価した.その結果,臨界電流は,磁束量子の周期で変化し,明瞭な量子干渉現象を観測することができた. 3.固有ジョセフソン接合におけるボルテックスダイナミックスの解明 固有ジョセフソン接合に磁場を印加し,ボルテックスフロー現象を評価した.その結果,通常電流-電圧特性において現れるボルテックスフローブランチに加え,多数のサブブランチ構造の観測に成功した.また,観測されたサブブランチ構造は,フローモードの変化に起因することを明らかにした. 4.固有ジョセフソン接合特性の理論的解明 固有ジョセフソン接合で観測される超伝導ギャップ,並びにその温度依存性について理論的に考察した.その結果,超伝導ギャップはd波オーダーパラメータを基本とする電子間引力を導入することにより実験結果を良く説明できることがわかった. 5.磁性体/超伝導体ハイブリッド素子の試作 超伝導体へのスピン注入効果を検討することを目的として,Fe/BSCCO固有ジョセフソン接合を試作した.
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Research Products
(6 results)