Research Abstract |
脳活動計測のための電極は,その用途により様々なものが市販されている.電極の太さや材質だけでなく,先端形状なども計測部位などにより異なっている.本研究で対称としている動物としては,サルやラットであり,特にサルは,皮質表面に近い神経細胞からの信号を取得することを目的としている.今年度は,おもに,電極の調査を行い,来年度制作する電極の仕様を決定した. 皮質の細胞外記録を行う電極は,太さ200μm程度の太さであり,抵抗値1MΩから数十MΩ程度である.神経活動をスパイクの形状から分離するためには,40KHz以上でのサンプリングが必要となるため,オペアンプも高周波まで特性が悪くならないものが必要となる.一方,Brain Machine Interfaceだけであれば,スパイクの発火頻度がわかれば十分であるので,100Hz程度のサンプリングでも十分であり,さらに,スパイク一つ一つの形状は必要ないため,フィールドポテンシャルを計測できる差動の電極があれば良い. また,信号の振幅は,100μV程度で,筋電信号と同程度である.このため,筋電信号も計測できるアンプを試作した.アクティブ電極であるため,電極部のプリアンプ部と本体部分の絶縁アンプをそれぞれ作製し,筋電信号が計測できることを確認した. さらに,埋め込み電極のための条件検討を行った.現在市販されている4〜8本の電極は,埋め込んだ後,半分程度は,2週間程度で計測できなくなることが多い.これは,電極は,頭蓋骨に固定されているが,脳はその中を動いており,電極先端部の位置が動いてしまうためである.このため,多くの電極を入れても計測できる信号は半分程度になってしまう.この問題を解決するためには,埋め込んだ後も動かせる電極が必要である.マイクロマシンの技術を用いて高集積可能なアクチュエータを持った電極を作製する予定である.
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