2005 Fiscal Year Annual Research Report
微細薄膜アンテナと共鳴トンネル構造の一体化によるミリ波発振・放射特性の制御
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16360178
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
須原 理彦 首都大学東京, 都市教養学部・理工学系・電気電子工学コース, 助教授 (80251635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 次徳 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (00117699)
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Keywords | オンチップ自己補対型アンテナ / ログスパイラルアンテナ / 共鳴トンネルダイオード / 低周波雑音スペクトラム / スパイラルインダクタ / スケーリング則 |
Research Abstract |
今年度の研究成果を以下に示す。 1.オンチップ自己補対型アンテナのサイズ縮小とスパイラル構造の放射特性に及ぼす影響の検討 共鳴トンネルダイオードとの集積化を目指して基板上にオンチップで作製されるミリメータオーダの有限サイズの平面型小型アンテナの性能限界の解析を行った。具体的には,自己補対型スパイラル構造のGHzからTHz帯の広帯域放射特性,放射帯域での定在波比の周波数無依存性,および近傍放射電磁界に対する端部形状,スパイラル形状,サイズの影響を電磁界シミュレーションにより明らかにした。また,自己補対型の中でも,ログ(等角)スパイラル構造とアルキメデススパイラル構造との特性比較を行い。要求仕様に対する適正なオンチップアンテナ構造パラメータを具体的に示した。また,現有装置を改良し,試作した等角スパイラルアンテナの近傍電磁界分布を,極微細プローブアンテナにより実測して,空間的放射の均一性も評価した。 2.共鳴トンネルダイオードの低周波雑音特性の実測 GaInP/GaAs三重障壁共鳴トンネルダイオードの低周波雑音スペクトラムのバイアス依存性,温度依存性を実測した。微分負性抵抗を生じるバイアス領域で低周波雑音は増加し,周波数のマイナスγ乗に比例したスペクトラムが観測された。γの値は温度変化による見かけの微分負性抵抗値によって変化し,γ=1.5-2を示した。 3.オンチップ平面型スパイラルインダクタのサイズ縮小則の理論解析 共鳴トンネルダイオードとの集積化を目指して基板上にオンチップで作製されるオンチップスパイラルインダクタのサイズ縮小則を,解析式による数値計算により導いた。その結果,自己共振周波数およびQ値を一定としたままサイズ縮小する際のスケーリング則を見いだし,さらにQ値を補償するにはサイズ縮小限界が存在することを明らかにした。
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Research Products
(5 results)