2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオメカニクスに基づく高機能CPMにおけるフレキシブル力制御系の研究
Project/Area Number |
16360213
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
川路 茂保 熊本大学, 工学部, 教授 (30040421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 信智 熊本大学, 工学部, 助教授 (10363508)
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Keywords | CPM / リハビリ / バイオメカニクス / 痛みモデル / 回内・回外運動 / 伸展・屈曲運動 |
Research Abstract |
高齢化、少子化の進展が著しい中で、人間の生活を支援・補助するロボット技術の開発が緊急課題となっている。特に人への補助用途では,人間と環境との干渉は不可避であり,この干渉を積極的に考慮したロボット技術は新たな領域である。人間と機械の干渉の典型的な事例として、医用CPM装置がある。CPM(Continuous Passive Motion、持続的他動運動)は、外傷後或いは手術後の関節を外部から連続的に動かして回復を促進させる整形外科における治療法である。従来のギブスで固定する治療法に比し、拘縮の予防・関節可動域の確保、損傷関節組織の治癒の促進など動物実験や下肢疾患の臨床例で効果が確認されているが、上肢疾患用の臨床例はない。また、従来のCPM装置は低自由度の運動機構であるため、患者の構造と適合した回復訓練は医師やリハビリ士に依存している. 平成17年度の研究では、CPMにおいてより効果的な回復治療を行うために、人間の痛みの感覚の工学的モデルや筋骨格構造を考慮した運動力学特性の解析,および回内・回外運動の軌道生成に関する以下の研究を行なった。 1.痛みのモデル:指先、腕部の表面痛の特性を機械的に表現し,さらに、ニューラルネットワークを用いて触信号と痛み信号の神経伝達機構のモデルを構築した。得られた表面痛モデルを2自由度ロボットへ実装し、痛み回避動作の有効性をシミュレーションにより確認した。 2.バイオメカニクスに基づく腕肘部を有するCPM装置の設計:バイオメカニクスに基づく腕部の筋骨格モデルを導出し、運動力学特性を解析した。また、腕の伸展・屈曲に伴って回内・回外運動が発生することを明らかにし、CPM動作において伸展・屈曲と回内・回外が同時に実現可能な装置の設計・試作を行った。 3.CPM動作における痛み回避のための動作設計法の確立:CPMにおける各関節の動作を計測し、進展・屈曲に伴い回内・回外運動の目標軌道を生成する手法を明らかにした。
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Research Products
(11 results)