2005 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地道路トンネルの建設コスト縮減を意図した支保構造設計法の提案
Project/Area Number |
16360221
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三上 隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00002303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹江 俊仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10332470)
佐藤 太裕 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00344482)
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Keywords | 構造工学 / コスト縮減 / 設計工学 / 寒冷地工学 / 山岳トンネル |
Research Abstract |
トンネルの支保構造の設計は、標準化に伴う設計法の硬直化により、ややもすると地上の構造物の設計に比べて過大な設計になりがちである。本研究では、設計段階における建設コスト縮減の着目点を抽出し、寒冷地特有の諸条件を加味した道路トンネルの支保構造設計法を提案することを目的に行うものである。今年度は、以下の研究を実施した。 1)断熱材設計法の再検討 (1)トンネル断熱材の発泡・保温に用いられるフロンガスは、オゾンホールの破壊防止等のため製造禁止やフロン排出抑制対策が取られている。そのため、トンネル断熱材に関する国内外の動向の調査及び現設計に用いられている断熱材厚さ算定式(略算式)の精度の再検討を行った。その結果、現製品(代替フロン)の熱伝導率は従来品(特定フロン)に比べれば20%程度劣り、施工断熱材厚さは厚くなるが、厚さ算定のための略算式は精度は十分であり、そのまま使用できることを確認した.なお今後、トンネル断熱材はノンフロン化が予想されるが、代替フロンに比較して、断熱材厚さが厚くなること、粘性・難燃性が劣るために施工条件が限定されること、材料・機械設備の変更により工事費が割高になる等の新たな課題も明らかになった. (2)道内地山の熱伝導率について既存測定データの収集とその整理・検討を行った。その結果、熱伝導率は安山岩・玄武岩、砂岩・泥岩、粘板岩、花崗岩他2種の計6種類に概略分類できること、及び現設計法の基準値(1Kcal/mh℃または2Kcal/mh℃)を満足しない多様な値を持つことが判明した。これを受けて、地山熱伝導率の断熱材厚さ(在来トンネルの外部断熱材及び新設トンネルの内部断熱材)に与える影響を明らかにした。 2)トンネル支保構造物の設計法の検討 鋼アーチ支保工と吹付けコンクリートの相互作用を考慮した支保工特性曲線を用いて支保圧の検討を行った。その結果、従来の支保剛性は、本研究による算定結果より常に大き目に評価され、最大で20%過大となる。
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