2005 Fiscal Year Annual Research Report
溶接鋼構造部材の低サイクル疲労強度予測手法に関する研究
Project/Area Number |
16360229
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
舘石 和雄 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (80227107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 健太郎 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50109310)
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Keywords | 低サイクル疲労強度 / 溶接継手部 / 画像計測 / 損傷力学 / 局部ひずみ / TIG処理 |
Research Abstract |
本研究は地震時に溶接鋼構造部材で問題となる低サイクル疲労破壊に対する設計手法を確立するために,溶接継手部の低サイクル疲労強度予測手法を開発することを目的としている.本研究で得られた主な成果は以下のとおりである. ・溶接継手においては止端部がき裂発生点となることが多いが,一般に,溶接止端部では溶接形状や継手形状の影響により局所的にひずみ集中が生じている.そこで,止端部のひずみ集中に大きな影響を与える因子について検討するために,2次元弾塑性有限要素解析を行った.溶接部の降伏強度,止端半径,止端角をパラメトリックに変化させて解析を行った結果,止端半径の大小によりひずみ集中に顕著な変化がみられ,その影響が大きいことを明らかにした. ・前年度までに著者らが構築した材料レベルの疲労強度予測手法を溶接継手レベルのそれに展開するために,実橋に用いられている溶接継手の例としてT字溶接継手試験体の低サイクル疲労試験を実施した.溶接継手においてき裂の発生が考えられる溶接止端部のひずみを実測することは困難であるため,弾塑性有限要素解析によりき裂発生位置における局部的なひずみを推定した.推定した局部ひずみと提案した材料レベルの疲労強度曲線を照らし合わせることにより,局部ひずみを基準とした溶接継手の疲労強度評価手法の有効性について検討した.その結果,解析により得られた局部ひずみと提案した疲労強度曲線を用いることで,溶接継手の疲労強度を評価できることを明らかにした. ・溶接継手の低サイクル疲労強度の向上手法として,溶接止端部におけるTIG処理に着目し,その補強効果について検討を加え,低サイクル疲労領域においてもTIG処理は効果的であることを明らかにした.
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Research Products
(6 results)