2004 Fiscal Year Annual Research Report
粒状体の準静的流れから高速流れへの移行に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16360233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小田 匡寛 埼玉大学, 工学部, 教授 (90008855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 和義 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40203377)
岸野 佑次 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005448)
鈴木 輝一 埼玉大学, 工学部, 助教授 (70282423)
風間 秀彦 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 助教授 (40008868)
川本 健 埼玉大学, 工学部, 助手 (50292644)
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Keywords | 粒状体 / 流れのメカニズム / せん断帯 / 画像解析 / 実験 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
土構造物は、壊れてはならないとの前提で設計される。しかし現実には、土構造物の基礎地盤の破壊は毎年繰り返され、流れる土砂は土木構造物に大きな被害を及ぼし続けている。この事実は、破壊後の土の挙動がいかに重要であるかを示している。土の破壊は、せん断帯に沿う準静的な滑りから始まり、条件によっては高速な流れへと移行する。この移行現象は、土石流の制御や被害の軽減を考えなければならない技術者にとって、きわめて緊急かつ重要な課題であると言わざるを得ない。本年度は、主に二次元せん断装置を使った室内実験を行い、準静的から高速までの流動特性について検討し、次の結果を得た。 1)改良2次元の実験装置により、高速流れの粒状体に作用している巨視的せん断・垂直応力が計測できることを確認した。また、高速ビデオの画像を処理することによって、粒子移動・回転を高精度に追跡する技術を確立した。次年度以降、本年度の成果を活かすことによって、内部構造(粒状温度分布、粒子密度分布、速度分布、速度勾配)を量的に把握できる。この成果は、粒子レベルで流動機構を明らかにするためのツールが調ったことを意味している。 2)平面ひずみ試験で発生したせん断帯を、マイクロフォカスX-線CTにより3次元で構造を観察することにより、準静的流れの構造特性と流動機構を明らかにした。 3)個別要素法(DEM)により、準静的から高速流れへの移行を数値解析的にシミュレーションした。物理実験との定性的な一致を確認し、今後、どのような条件が揃えば準静的から高速に移行するかを数値実験的に解明する。
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Research Products
(5 results)