2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然堆積地盤の遅れ長期圧密沈下のメカニズム解明と予測・対策工システムの開発
Project/Area Number |
16360236
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅岡 顕 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50093175)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 正樹 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00252263)
野田 利弘 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80262872)
山田 英司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00293647)
中井 健太郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60402484)
田代 むつみ 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 研究員 (00422759)
|
Keywords | 粘土 / 土の構造 / 圧密 / 過圧密 / 弾塑性構成式 |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績として、主に次の2点が明らかとなった。 (1)道路用盛土載荷地盤の長期大沈下挙動に対する各種対策工の検討 長期大沈下挙動が起きている神田地区と伊勢地区を対象に、室内試験結果と各種現場データをもとにSYSカムクレイモデルに基づく水〜土連成有限変形計算により長期大沈下を再現し、種々の解析条件を想定する事で、長期大沈下挙動を引き起こすような地盤に対する沈下軽減の対策工を検討した。長期大沈下が起こるか否かには閾値となる荷重が存在し、軽量盛土材等による盛土荷重の軽減は長期大沈下の防止に有効であることを数値計算により明らかにした。これは上越地区等のEPS置換効果と整合する。また、SD(サンドドレーン)打設による粘土層の透水性の改善により、大沈下の防止はできないが、早期に沈下を収束させる事により、供用後の残留沈下の低減に効果があることを数値計算により示した。神田地区では実際に、無処理部に比べてSD打設部で顕著な残留沈下の低減効果が認められている。一方、緩速施工やサーチャージなどの時間効果のみでは、排水距離が長く構造が卓越した粘土層に対する、圧密促進や残留沈下の低減は期待できないことも示した。 (2)長期広域地盤沈下の蓄積データ収集と数値計算によるメカニズムの解明 旧日本道路公団による軟弱粘土地盤上への高速道路用盛土の施工実績をもとに、長期・大沈下を引き起こす粘土の室内試験結果に見られる共通点を整理し、この種の粘土の判定法を提案した。長期大沈下の原因となる粘土は圧縮指数比と鋭敏比が大きく、これはSYSカムクレイモデルに基づくと構造が高位で構造劣化が速い粘土として説明できる。また、不撹乱試料の標準圧密試験結果から原位置初期状態の推定を行い、長期・大沈下を数値計算で再現する際の初期地盤性状の確定法を提案した。
|
Research Products
(13 results)