2005 Fiscal Year Annual Research Report
小孔の衝撃押し広げによる無排土地下空間構築技術の実用展開
Project/Area Number |
16360239
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
建山 和由 立命館大学, 理工学部, 教授 (10179731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 繁 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (80069567)
深川 良一 立命館大学, 理工学部, 教授 (20127129)
木村 亮 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30177927)
岸田 潔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20243066)
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Keywords | 地下空間 / 衝撃波 / 爆薬 / 実験 / 数値計算 / トンネル / 基礎 |
Research Abstract |
粘土や砂等の比較的間隙比の大きい地層の中に直径10cm程度の小孔を掘削した後,その内壁に衝撃荷重を作用させて小孔を押し広げることにより,直径1m〜10m程度の地下空間を構築する技術の開発研究を行った.この技術を用いると,地盤の押し広げにより空間を構築するため,排土を行うことなく短時間に地下空間を構築することができるのみならず,衝撃載荷により坑壁周辺に土を集中して圧縮させるため,安定した坑壁を構築する効果が期待される. 昨年度の研究では,土中における衝撃波の基本的な伝播特性を調べ,小孔の衝撃押し広げを表現する数値計算手法を構築した.本年度は,昨年度に引き続き,土中における衝撃波の伝播・減衰特性と土の種類や密度,含水比との関係について定量的な把握を行うための実験を行うと共に,初期の小孔径が拡張後の空洞径に与える影響について実験により検討を行った.さらに,衝撃波による土の圧縮現象を超高速カメラで撮影し,衝撃波の伝播に伴う土の圧縮現象の可視化技術の確立を図った.この結果,下記が明らかになった. ・土中を伝わる衝撃波の減衰は,土の圧縮に起因する内部減衰と2次元伝播に起因する幾何減衰の両者からなり,内部減衰は圧縮性の高い土で大きい. ・爆薬量を一定として,初期の小孔径を変化させた場合,拡張後の空洞径は,初期の小孔径により異なるが,衝撃拡張により圧縮された土の部分の体積は,初期の小孔径の影響をあまり受けない.このことは,初期の小孔径と爆薬量により拡張後の空洞径を制御し得る可能性があることを意味する. ・爆薬による土の圧縮現象は,10^<-4>秒送りの超高速カメラで撮影することが可能ではあるが,爆破で発生するガスの影響で圧縮中盤以降の挙動を撮影することは困難であり,新たな技術開発を要する. 本年度は,これらの研究成果をまとめ,この技術の実用化についての知見まとめて報告書の作成を行った.
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