2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒ素の生物学的気化能を利用した汚染土壌浄化に関する研究
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16360261
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福士 謙介 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 准教授 (30282114)
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Keywords | ヒ素 / 土壌 / バングラデシュ / メチルヒ素 / メタン菌 / 土壌浄化 |
Research Abstract |
本研究はバングラデシュやタイなどのヒ素による汚染が深刻な地域のヒ素除去プロセスのオプションとして、土壌、上水汚泥など高濃度にヒ素を含有している固形物から微生物の機能を用いヒ素を除去するプロセスを開発することが本研究の最終的なゴールであるが、それを達成するためにはヒ素気化に関する様々な基礎的な知見を得る必要がある。本研究で着目したのは一部のメタン生成菌などが有している無機ヒ素のメチル化能力である。本科学研究費補助金助成研究では主に微生物叢に着目し、その工学的な視点から見た生物学的機能を解明することを目的とする。 1年目は様々な環境から採取された試料より得られた混合微生物叢の無機ヒ素のメチル化能力を調べた。試料はバングラデシュの汚染地域土壌、牛糞、高温消化汚泥を選択した。試験は試料を嫌気性反応槽で蟻酸と酢酸の存在下で半連続的に培養を行い、気化されたヒ素の速度を測定した。牛糞槽と汚染土壌槽は約35°、高温消化汚泥槽は55°で培養を行った。約100日の培養の結果、ヒ素のメチル化能力は牛糞>汚染土壌であり、高温消化汚泥からはメチルヒ素の確認はごく微量しかされず、アルシンガスの生成が確認された。いずれの場合も生成したメチルヒ素はメモメチルアルシンであった。 2・3年目はヒ素メチル化微生物の詳細な微生物叢解析・酵素解析を行った。具体的にはヒ素をメチル化することが知られているメタン生成菌純菌を集積培養し、その微生物からヒ素をメチル化するのに深く関与している酵素を単離し、その後、その酵素情報からヒ素メチル化に関与する因子情報を得る手法をとった。単離微生物の研究からはヒ素メチル化にはアデノシルメチオニンよりもメチルコバラミンが深く関わっていることが解ったが、酵素を単離するには至らなかった。
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Research Products
(2 results)