2006 Fiscal Year Annual Research Report
合流式下水道における未規制リスク因子の雨天時流出ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
16360262
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Research Institution | the University of Tokyo |
Principal Investigator |
古米 弘明 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (40173546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 典之 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (30292890)
片山 浩之 東京大学, 大学院工学系研究科, 講師 (00302779)
藤田 昌史 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (60362084)
栗栖 太 東京大学, 大学院工学系研究科, 講師 (30312979)
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Keywords | 合流式下水道越流水 / 堆積物 / 病原微生物 / 医薬品 / リアルタイムコントロール / 分布型モデル / 雨天時汚濁流出解析 / 模擬降雨 |
Research Abstract |
本研究では、合流式下水道雨天時越流水(CSO)に起因する未規制リスク因子として、微量化学物質や病原微生物に着目し、晴天時における負荷変動を調査するとともに、それらが合流管路内の堆積物中にどの程度存在し、雨天時にどのような流出挙動を示すのかを定量的に評価した。現場調査データに基づいた雨天時汚濁流出解析も試み、リスクの低減・制御方法についても検討した。 1.模擬降雨による管路内堆積物の流出挙動調査 調査対象排水区において、給水車を利用して上流のマンホールに大量の清水(井戸水)を投入し(総量10.5m^3:降雨強度22.0mm/hrに相当)、管路内堆積物の流出挙動を調査した。また、同一の排水区において晴天時における流出挙動の調査も実施した。 2.雨天時越流水中および模擬降雨による流出水中の有害微量化学物質と病原微生物の分析 1で経時的に採取した試料について、未規制リスク因子として医薬品(抗生物質)、病原微生物(大腸菌や腸管系ウイルス等)など分析して、それらの流出挙動を評価した。模擬降雨実験では、細菌指標とウイルス指標の流出パターンに差異があること、晴天時負荷変動の解析からは、抗生物質の日内濃度変動には、医薬品の服用パターンが反映されている可能性があることなどが明らかになった。 3.リアルタイムコントロールのための汚濁流出挙動モデルの構築 対象排水区において、分布型モデルソフトウェア(InfoWorks CS)を用い、汚濁負荷のリアルタイムコントロールを目指した下水道施設の運用・運転アルゴリズムに関する研究を進めた。昨年度検討したオンライン負荷量予測モデルに上流側観測データを追加する改良に加えた。さらに、中小降雨によるCSO発生を精緻に解析するためにオンライン流量予測モデルの改良も行った。 4.雨天時越流水中の微生物・化学物質の動態予測とリアルタイム制御へ向けての提言 管路内堆積物の存在を考慮して、雨天時合流式下水道由来の懸濁物質とそれに付随する未規制リスク因子の流出挙動について総合的な評価を行い、病原微生物や医薬品類を含めた汚濁負荷削減を目指した下水道施設のリアルタイム制御の可能性を検討した。
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Research Products
(8 results)