2005 Fiscal Year Annual Research Report
RCおよびPC構造骨組の柱梁接合部の破壊機構を統一的に評価する試み
Project/Area Number |
16360280
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西川 孝夫 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (30087275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 和宏 首都大学東京, 都市環境学部, 助教授 (70204922)
山村 一繁 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (30220437)
岸田 慎司 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (10322348)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / プレストレスト・コクリート / 柱梁接合部 / せん断破壊 / 付着劣化 / 破壊機構 / PC鋼材 / 梁主筋 |
Research Abstract |
昨年度に平面十字形柱梁接合部試験体6体(RC3体、PC3体)に静的水平力を正負交番載荷する実験を行い、柱梁接合部パネル内の応力伝達機構および破壊機構を検討した。これらの知見を現実に近い立体骨組内の柱梁接合部の破壊へ拡張するため、立体柱梁接合部試験体を2体作製して実験を行った。ここでPC構造とRC構造とをつなぐ中間的な構造としてプレストレスト鉄筋コンクリート(PRCと略記)構造を取り上げ、内柱を対象とした試験体(十字形+十字形)とした。また昨年度の実験結果をもとにさらにPRC平面十字形柱梁接合部試験体6体を作製して実験した。これらの平面試験体は立体試験体との比較も可能となるように設計された。この実験では柱梁接合部内を通し配筋される普通鉄筋およびPC鋼棒の付着性状とパネルのせん断抵抗機構との関係に焦点を当て、これを明らかにできるような諸物理量(例えば立体柱梁接合部領域の変形性状、PC鋼棒を収納するシース管のひずみなど)を測定する方法を工夫した。実験において立体柱梁接合部試験体は2体とも接合部パネルのせん断破壊が先行した。これに対して平面柱梁接合部試験体では梁部材の曲げ破壊、梁降伏後の接合部せん断破壊、および接合部破壊の破壊モードが見られた。 実験では破壊過程を詳細に観察することができるが、局所的なコンクリートのひずみや応力、コア・コンクリートのような内部のコンクリートの圧壊発生位置、鉄筋とコンクリートとの付着状況などを定量的に詳細に把握することは難しい。そこでこのような情報を得るために、有限要素を用いた2次元の非線形解析(FEM解析)を実施した。FEM解析では実験では実施不可能な状況を想定できるので、接合部パネルの破壊機構に影響を与える因子を幾つか選定し、その発現度合いを調べることが比較的容易にできる。そこで初年度に実施した平面十字形試験体を対象として解析し、実挙動をほぼ再現できることを確認した。 二年に渡る実験の結果およびFEM解析で得られた知見を総合的に俯瞰することによって、RCからPRCを経てPCまでの接合部破壊機構を統一的に評価することを試みた。合わせて接合部パネルのせん断強度を定量化した。
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