2004 Fiscal Year Annual Research Report
伝統的都市における街区保存手法の日中比較-北京と京都を事例として-
Project/Area Number |
16360308
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤川 昌樹 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (90228974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 俊 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (60212320)
上北 恭史 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00232736)
吉田 友彦 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (40283494)
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Keywords | 街区保存 / 都市保存 / 伝統的都市 / 皿合院 / 北京 / 京都 / 歴史文化保護区 / 重要伝統的建造物群保存地区 |
Research Abstract |
本研究は北京と京都を比較対象として、有効な街区保存手法についての提案を行うことを目的とするものである。 本年度は、2004年8月に筑波大学側研究者が北京で行なった予備調査、2005年1月に中国側研究者を筑波・京都等に招聘して行なった調査、同年2月末より3月初旬にかけて北京で行なった伝統的市街地の街区調査の三つの作業が研究の柱となった。 予備調査では、豊盛地区(再開発進行地区)、南池子地区(保存型再開発の行われた歴史文化保護区[以下、保護区])、牛街イスラム地区・金魚池地区(再開発済み地区)、大柵欄地区・張自忠路北地区・南羅鼓巷地区(未事業化段階の保護区)、鼓楼大街(街路拡幅の行われた保護区)、菊儿胡同・国子堅(修景済みの保護区)の景観調査を行うと共に、中国側の研究者と議論を行った。この結果、1)近年の保護区指定に際して中国側の学術調査がかなり進んだこと、2)保存地区では住民/行政関係が緊張状態にあり、四合院内部の実測調査が難しくなってきていること、3)中国では街区保存をはじめとする日本の都市保存の経験全般についての情報が必要とされていること等が判明した。以上から、研究計画立案時よりも、より日中の比較研究の色彩を濃くすることが有効であるとの認識に至った。 このため、中国側研究者を日本に迎えての本年1月の調査では、京都で多くの時間を割き、産寧坂・祇園新橋・室町通りなどの伝統的市街地の景観調査と共に、都市計画系第三セクター(京都市景観・まちづくりセンター)・NPO(古材バンクの会)、伝統的技術を継承する工務店(アラキ工務店)でヒアリングを行ない、現状の都市保存手法について様々な側面から検討した。 最後の北京での街区調査では、未事業化段階の保護区で如何なる保存上の問題が起きているか、住民レベルではどのような取り組みがみられるかについての調査を行った。
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