2004 Fiscal Year Annual Research Report
大正準モンテカルロを援用した原子尺度での粒界・粒内組織の同時予測手法の開発
Project/Area Number |
16360314
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥田 浩司 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (50214060)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 庄治郎 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (30111925)
|
Keywords | モンテカルロ法 / PFZ / 粒界析出 / 溶質枯渇 / 空孔枯渇 / 状態図 |
Research Abstract |
粒界析出による結晶粒内部での溶質枯渇現象と過飽和原子空孔の枯渇現象を同時に取り扱うことのできる、析出組織シミュレーション手法開発のための基礎的な検討を進めた. 従来のモンテカルロ法による相分離構造シミュレーション手法に対し、粒界析出や粒界での空孔枯渇の概念を含んだ組織形成の予測を可能にするための手法開発の第一歩として粒界析出物の形態は問わず、その平衡溶質濃度のみを定義し、粒界析出物についてはその生成量のみを議論するという方法をとることで従来非整合な粒界析出との同時接続が困難であった部分の解決を試みた.このようなモデルの作成により、2元系については初期条件として溶質枯渇あるいは空孔枯渇の存在する場合についての評価、ならびに熱処理と同時進行として粒界析出による溶質枯渇も進行する場合の組織の特徴についてのおよその形成過程の特徴を捉えることに成功しつつある.さらに年度前半で進めた単一CPUによるシミュレーションについて、今年度購入の並列計算機上への移植作業を進めており、高速化を測るための計算手法の改良と、同時進行で多元化のためのアルゴリズム上の問題点の洗い出しをすすめている。現在得られている新たな知見としては、初期溶質枯渇モデルによるMCシミュレーションが可能になったことにより、従来まったく提言されていなかった新たなPFZ形成機構が、実際のPFZ組織をよりよく説明する場合があることが明らかとなった.
|
Research Products
(4 results)